海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

抜け道

秋晴れ。ゼミ生のK君は、いつもゼミの時間に野外に出たがっているのだけど、運営の都合上なかなか希望をかなえてあげられないので、せめての罪滅ぼしと言う事で今日は狭山湖周辺の森を案内してあげる。折角だからサービスしようと、地図に書いてある「さいたま緑の森博物館」に続く道に入ってみる。以前から一度このルートを通ってみたかったので一石二鳥である。で、あまり人が通っていないようでサガオニグモの網が数メートルおきに張られているようなこの道をガシガシ歩く。で、地図ではすぐ近くに見えていた博物館の外郭道路に到着してみたら、なんとその道路沿いに延々と鉄条網つきのフェンスが!トボトボと引き返す二人であった。一体何のために往来を阻害するのやら。

で、色々歩き回って帰りの車中。日曜と言う事で道路が混んでいたので、ひょいと抜け道に曲がってみると、
K君「やっぱり先生は関西人ですね」
私「ほう、なぜそう思う?」
K君「だって、東京の人はこんなときでも抜け道選んだりしないんで」
彼は東京育ちである
私「あー、やっぱりそうなのか。私も薄々そうではないかと思っていたのであるよ。しかし、なんで東京の人はおとなしく待ってられるの?私にはそっちの方が不思議だ」
K君「それは、別に急いでも仕方がないと思っているからじゃないですかね」
私「えー?でも、ほれ、今だってこんなにスルスルと。これで5分は稼いだよ。やっぱり人間ちょっとでも早くつきたいものなんじゃないの?」
K君「あんまり気にならないんですよ」
私「でもやね、今ここに渋滞に続く道と、スルスル走れる道があるとする。東京の人だって後者を選ぶだろう?」
K君「それはそうですけど、一度渋滞につかまっちゃったら、わざわざ引き返してまで抜け道を選ばないんですよねえ」
私「うーむ。でも考えてみ、僕らは抜け道を選べるから良いけど、どうしても渋滞してるところを通過しなくちゃいけない人もいるだろう。そういう人にとってみれば、私たちのような人が抜け道を選ぶことで渋滞が少しでも短くなるのはありがたいことじゃないかね?一方、抜け道に大量に車が向かわぬ限り、こちらも渋滞にはならないのだから、トータルで見ると抜け道を選べる人は選んだ方が全体のためになる。というか、この状況で抜け道を選ばないのはむしろ迷惑であると言えると思うがどうか?」
K君「はー、そんな風に考えた事なかったです。関西の人って、みんなそんな風に合理的に考えるんですか?びっくりしました」

K君、それは違う。私のは単なる屁理屈だよ。