海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

長崎再び

そんなわけで今日から長崎。今回は現地でのデータ採りが主目的なので、へらーっと行ってクモ採って帰ってくるだけだった昨年一昨年と違ってやる事が多い。と言う事で5時起きで、朝ご飯にヨメサンが用意してくれたお茶漬けをかっ込んで出かけ、粛々と羽田に。実は今回、シートのアップグレード券をもらったので、生まれて初めて、いつもカーテンのすき間から指をくわえて見ているだけだった別世界に足を踏み入れるのだ。ドキドキである。機体もちゃんと747の便を選んでいるので、国際線仕様のシートのはずだ!

で、座ってみる。おお、大きい!シートが電動でリクライニングする!うわっ足置きが出てくるじょ!もう寝ちゃおー!「お客様、シートベルト着用のサインが消えるまでは、シートをお戻しください」

巡航速度に達して、おしぼりだ!どうでもいいけど、何で飛行機のおしぼりってトングで渡されるのでしょう?なんか汚いもの渡されているみたいじゃないですか?で、朝食が出た。そうと知っていたらお茶漬けなんてかっ込まなきゃ良かったよー。お腹減ってないよー。貧乏人をからかってるんだなー。

とか何とか言っているうちに長崎についたので、毎度恒例であるはずの、恐怖心からあらぬ事を考える暇が無くてつまらなかった。で、良いシートは、国内の移動くらいだったら高いお金払ってまで載るほどじゃないなあと思った。

今回の目的はビデオ撮影である。網の前にビデオを仕掛けてひたすら回し、一時間に一度あるかないかの捕食イベントを撮影して、後から色々解析する。長崎時代に「どうせ何の結果も出ないだろうけど、念のため調べとかないとなー」と思って撮っておいたビデオを東京に来てから見直してみたら、思いもかけないパターンが出てきたので、データ数を増やして、それが本当かどうか確信を持とうという狙い。年度末に買ったHDハンディカムのデビュー戦でもある。私物のデジタルビデオと2台体制で調査の効率も2倍だ!でも、荷物量も2倍だ!ということでせめて三脚くらい現地調達と言う事で、私の長崎時代の後釜であるところのS宮さんにお願いして借り出させてもらう。だけじゃなくって、駅まで持ってきてもらってあげくフィールドの稲佐山までつきあわさせるという、人を人とも思わぬ扱いをする私。いや、だって、ビデオ仕掛けたら後はテープが終わるまで80分間暇なんだもの。3時頃には網がボロボロになってデータが採れなくなるので、12時前にフィールドについて、80分を2セットするのが精いっぱい。

いまや定宿と化したJRホテルまでS宮さんに送ってもらいチェックイン。明日に備えてビデオの充電を試みるものの、部屋にコンセントが一つしかなくてビデオは二つ。さらにスペクトロメーターでのデータ採りもしているのでそちらの充電もしなくてはならない。さらに普通のホテルのシステムだと鍵置きに鍵を入れないと部屋の電源が入らないわけで、ということは出かけてたら充電できひんやん!トイレのコンセントも使えば今日は何とかなりそうだけど、明日はビデオ一台につき二個のバッテリーを充電しなきゃならないんだけどなー。

悩んでいてもしょうがないので出かけてみる。私のいた時にはなかった水辺の森公園をブラブラし、新地のベスト電器のコンピュータ店が閉まっていた事にビックリし、バスに乗って最近二車線になったという峠のトンネルを眺めながら旧勤務校へ。昔の教え子と飲み会である。

教え子って言うとなんだが、私はそもそも人間関係における上下の観念を希薄にしか持ちあわさない人である。本当は学生さんたちとフラットな関係でいたいところなのだが、まあ職務遂行の観点から言うとそうでない方が物事がスムーズに行く要素もあるので、長崎にいた時は学生さんに接する時に多少構えたところが無かったわけではない。まあしかし、今や私には何の義務も責任もないわけだからして、思う存分気楽な事を喋り、笑い倒して楽しかった。幹事のがちゃぴん嬢、どうもおおきにね。

彼女たちとゆっくり話したのは2年と少しぶり。まだ子供だった一回生の時と比べて、みんな自分の言葉で自分の考えている事を喋れるようになっていて、つまり普通の大人の会話が成立するのだな。で、おじちゃんとしては何の義務も責任もないわけだけど、「成長してるんだなあ。大学生活はムダじゃないんだ」と、心中秘かに感じ入り、かつ無性に嬉しかったのですよ。

しまいにゃあ学生たちにタクシー代までおごられちゃってるわけで、いいいんでしょうかこのオッサンこの先も野放しにしておいて?>学生