「今日から明日へつながる保育」という本を読んだ。前半では日々の保育実践について書かれている。で、この本によると先生たちは、子供たちの遊びの中からそのやりたい方向性を読み取って、色々な方向に発展させたりつながっていかせる援助をしようと日々心がけているらしい。確かに、そういう事を聞いた上で、先生たちの振舞いとか話される事を振り返ってみると、色々と腑に落ちる事がある。っていうか、幼児の集団の混沌の中で、そんな援助を行うためには、まず第一に目の前の事態に迅速かつ柔軟に対応する精神的な反射神経が必要で、そういうのってひょっとして若い時にしかできないのかもしれないと思ったりする。それから、幼稚園では、先生は良き心理学者・行動学者としての素養を持たないとやっていけないのだろうなと思ったりもする。言葉によるコミュニケーションにあまり頼れない相手の意図を遊びの行動から読み取ろうとするのだから、まさにそれは行動学。しかもその読み取りを瞬時に行わなくてはいけない、というのだからすごい。私なんかでは到底こなせないよ。
後半では保育の理論について書かれている。で、以前から、幼稚園のやり方の後にある思想と小学校の思想とはソリが合わないんじゃないかな?と感じていたのだけれど、それがあながち的外れな推測でもなさそうだということがわかった。
というわけで、予想以上に面白かった。身近にある生活の細々した事の裏に、ちゃんとした理論があるのを知るのは楽しい事である。
- 作者: 河邉貴子,赤石元子,東京学芸大学附属幼稚園小金井園舎
- 出版社/メーカー: 萌文書林
- 発売日: 2009/10/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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