海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

ゲレンデのカモシカ再び

もう三月。考えてみれば家族で来るスキーとしては、これまでで一番遅いタイミングになる。子供らをスキー嫌いにしてはならないので、いつも万全のコンディションで滑れるよう注意を払ってきていて、雪が重くなったり下手すると雨に降られる可能性もある三月は避けていたわけ。だけど、さすがにこれだけやればもうイヤな印象を持つことはなかろうし、いろんな条件を経験しておくのはよかんべ、と、計画を立てたのだな。っていうか、ホントは二月上旬も考えたのだけど、宿の関係とかヨメサンの用事とかで回避したのだった(もし行く事にしていたら、上の子の発熱とぶつかって哀しい事になるところだった。もういつも家族旅行はヒヤヒヤ)。

で、昨日の雨は夜更けすぎに雪へと変わったわけだけど、うっすら乗っただけで湿気も多くて、まあ三月だなあ、と言う感じ。昨日まで日曜が雨との予報だったのが晴れに変わっただけで十分。いつもの宿の美味しい朝食をいただいて、ゲレンデに向かうと、ゴンドラ前のいつもの駐車場が満車になっているじゃないか。なんで同じ時間に駐車場について、二月は入れたのに三月はあかんねんなー、と思ったら、この週末岩岳は全国のテレマーカーが一同に終結する大イベント、てれまくりが開催されているのであった。受け付けは山頂で9時までとのこと。そりゃあ9時ごろに宿を出てたら遅いわな。とはいえ、どうも私の数台前で満車になったばかりのようで、「車は二駆か?四駆か?」と聞かれた後で、ゴンドラの向こう側のスペースに案内されたら、そこからはリフトまですぐに滑り込めるところで、リフト券売り場もあってゴンドラ前だと券を買うのに10分ほどかかるところ、並ばずに買えてしまい、結果的にラッキーだったと言う(しかしそこには罠があったのだが)。で、上を見ると雲に巻かれているので、下部のゲレンデで数本滑る。雪はザクザクしているけれど午前中なので滑りやすい。そのうち少し雲が緩んできた感じがしてきたので上に。上の方はがりがりした上にうっすら雪が乗っているコンディション。やっぱりこっちの方が滑りやすいので、専ら上で滑る事にする。温度的には最初暖かだったけど午後遅くから予想外に寒くなってきたかな。

リフトに乗っていると、ゲレンデ外を滑っている人をちょくちょく見るのだけど、今日もそういう人がいて、ようやるなあと思っていると、その人たちに追い立てられたようにカモシカが現れた!うわっ、ゲレンデの方に移動しているよ!と家族みんなで超上級のビューAコースに向かう。ここはV字谷をそのままコースにしていて、Vの底はとっても細くて、斜面を駆け上がりながらターンするという、天然のハーフパイプのようなところで、スピードを簡単に殺せるので超上級と言ってもウチの子でも楽々滑る事のできるところだ。ともかく、そこを行くと、いた!案の定ゲレンデからすぐのところに一頭いて、木の間からこちらを伺っている。すると、下の方で枝が動いて、もう二頭現れた。一頭が警戒する間に他の二頭が餌を探していたのだろうか。ともかく、ゲレンデでカモシカに遭遇するのはこれで三回目だけれど、集団でいるのに出くわすのは初めてで興奮する。大きさからすると親子かな。離れがたくてしばらく見ていたのだけれど、そうこうしているうちに、またオフピステを誰かがゴーって滑ってきて、驚いたカモシカはこちらからは見えないところに隠れてしまった。無粋な事である。そういえば前回はトガリネズミと思われるネズミも見たのであった。

例によってリフトが終わるまで滑って、駐車場までスキーのまま行けるのでラクチンなのだけど、ここで罠が発覚。板を積んでさあ帰ろうと思ったら、タイヤが空転。駐車場に積もっていた雪がザクザクのシャーベットになってしまっていて、グリップがほとんどない。そうかそれで入るとき四駆かどうか聞いたんだな。っていうか二駆だって答えたのに、こんなところに入れないでよ!周りの車も同様にジュルジュル言わしていたけど、何とか脱出に成功する中、ウチだけ前進も後退もできなくなってしまい、周りの人に押してもらってやっとの思いで動き出す。これで行けるかと思ったら出口を人が横切ったので止まらざるを得なくなり、また空転が始まる。けど今度はバックできたので事無きを得る。今回のスタックには手こずった。来年はスタッドレスを変えなきゃならんなあ。

ほうほうの体で宿に戻る。今回はウチの他にもう一組お父さんと小学生の娘さんの二人連れが泊まっている。このいつものお宿は小さいところなので、客同士の距離も自然と小さくなるのだけど、お客さんも感じの良い人ばかりなので、そういう楽しみもあって、何度も来たくなっちゃうのだよなあ。いや、例年ならもうオフの三月にスキーに来てしまったのには、この宿にもっと泊まりたい、という気持ちが影響しているのでありますよ。晩ご飯のあとは、私はワイン飲み過ぎで部屋で横になっているうちに寝てしまい、もう一組のお父さんも早々に部屋に入られちゃったのだけど、残った子供組はヨメサンの環境作りもあって(ウチの子は誰かに似て人見知りなので自分から知らない人と遊んだりできないのだ)、一緒に遊んでいたようで、それはとっても良い事である。ヨメサンは宿の奥さんとおしゃべりしていたらしい。