海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

二度美味しい

朝起きると、昔日の大帝国のタブロイド紙であるデイリーメールのサイトに、ナショジオの記事に触発されたと思しき記事が載っていた。

The male spider that MUTILATES its partner after sex so it can never mate again

これちょっと面白いのは、ナショジオの記事と私の論文のテキストの切り貼りだけで記事ができていることで、使われている写真も論文から取ってきたものとflickrのフリーのものだけ。ナショジオはちゃんとこちらに取材して、写真も私のを要求してきてたのに、デイリーメールのは、ほとんどブログと変わらんやんという。しかし、論文テキストを引っ張ってくれてるおかげで、中身的にはこちらの言いたいことがより伝わっているという。情報の中間流通の意義ってなんだろう?としばし考え込む。

もひとつ面白いことは、デイリーメールはすでにこの論文が出た直後にも一度、求愛時にメスを縛り上げるクモの話のおまけとしてだが、私のネタを取り上げてくれてることだ。

Fifty shades of PREY: Male nursery web spiders tie their partners up during sex to prevent themselves from being eaten

つまり同じ話を2度書いてるんだが、良いのかそれで?

昼から京大に。H田さんの退官で最終講義を聞きに。よく考えてみれば、H田さんの研究の話をちゃんとしたレクチャーの形で聴くのは初めてじゃなかろうか。最終講義だから思い出話も多く、懐かしいなあと思いながら聞いていた。あと、やっぱりクサガメ外来種だったことを見つけるくだりが面白かった。この結論を得るために、化石記録を洗ってみたり、本草学の文献や方言を調べたり。こう、物事を知るための方法は本来自由度の広いものであるべきで、こういう話を聞くと嬉しくなるのね。世の中には、深く考えもしないで、最新の手法を使った成果じゃないとダメみたいなこと言う人がたまにいるけど、そうじゃないよね。懐かしい人とも何人か会う。で、夕方からパーティーがあるという話をここで初めて聞いたけど、明日朝から学会で、準備もあるし、原稿も二つ(三つか?)を抱えている身としては、突発的に飲む会に参加するともう回らなくなること必至なので、泣く泣く帰ってくる。H田さんごめんなさい。ってか、最終講義のあとにパーティーがあるのは予想できていて当然で、どこにもお知らせがなくたって問合わせればよかっただけの話だ。わかってれば、そのつもりで学会の準備とか先にできたのに…ちょっと最近頭回ってないんじゃないか?>オレ。

ともあれ、お疲れ様さまでした、という気持ちでいっぱいであります。