海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

アラクネ

ということで、今日がちちんぷいぷいの本番だ。11時に茶屋町毎日放送に来いと言われていたところ、5分も前についたところに私の前向きさが現れていると言えよう。で、受付のキレイなおねいさんに「ちちんぷいぷいに出るんですけど」と言って楽屋に通してもらう。私一人に楽屋一つですよ。加湿器が稼働していて、あー、喉をいたわるんだなあこれ。すげえなオレもおえろうならはったもので。楽屋はいくつも並んでいて、あ、これは角淳一、とか、隣は私の次のコーナーに出るアイドルの人、とか、ウフウフ思っているわけだけど、この楽屋には専属のスタッフさんがいて、コーヒーの出前とってくれたり「何か困ったことあったら言ってくださいね」とか言ってくれる。すげえ下へも置かぬもてなしとはこのことなり。するうちに番組スタッフの人が登場して,少し打ち合わせしたあとにスタジオに。生放送だから、時間を見たり立ち位置確認したり小道具の使い勝手を確認したりのためのリハーサルをやるのね。出てくるのは私と司会のアナウンサーさんで、角さんを始めとするひな壇の人たちはスタッフさんが代わりにやると言う。で、途中途中で台本を調整したりフリップ出しや途中挿入するビデオ出しのタイミングを相談しながら、一通りやる。20分の予定のところ全部回すと25分くらいかかることがわかって、じゃあどこを省略すべきかは本番までに検討するとのこと。リハが終わって、こちらとしては、まあおそらくはちゃんと進行できるだろう事が確認できたので良かった。カメラの横にはカンペも出てくるし、それ見ながら、司会さんに従いながら、あとはその場のノリで喋ればいいんだな、ということがわかった。で、どうもその次のコーナーでも私はひな壇に座っているらしく、そこのリハにも参加。たこやきレインボーというグループの堀くるみさんがレンジで三分クッキングする、という趣向らしく。私も本番では試食させてもらえるそうだ(リハではなし)。なんかその場で突然話を振られて、変なことを口走ってしまい、堀さんを戸惑わせてしまったのだが、17歳と言うのに彼女はしっかりしていて、一人で全部進行させて見事にリハを終わらせる。すげーなー。上の子と二歳しか違わないのにこのしっかり度合いかあ。ともかく、「さっきは要らんこと口走ってすみませんでした」とか謝っておく。この頃既に12時半ごろで、いったん楽屋に戻ったところスタッフさんがやってきて、途中挿入するギンメッキの交尾ビデオの扱いを相談したいので調整室まで来てくれないか?とのことで、へこへこついていく。各カメラからつながるモニターがずらっと並んでいて、切り替えを行ったりする部屋だな。で、せっかく来たけど、スタッフさんの狙いはうまく行かなさそうだと言うことがわかって再び楽屋に。いやオレは、こうやって裏側いろいろ見れて興奮することしきりだよ。っていうか、

ちちんぷいぷいってすごい数の人が作ってるのね。以前NHKBSの番組に出た時もスタッフ数に驚いたけど、それよりもずっとたくさんの人が動いていると思ったら、アイドルの人も「ちちんぷいぷいはスタッフ数多いほうですね」と言っておられたよ。スタッフが多いのは生放送と言うこともあるのかもしれないし、放送時間も4時間と長いので、コーナーごとに一部スタッフも入れ替わってるのかもしれんし。それはともかく、とにかくたくさんの人が番組に関わっていて、楽屋付の人がいたり、メイクルームにも常に人がいたり、調整室にももちろんスタジオにも大勢いて、彼らが皆自分の持ち場の小さなピースを埋めることで番組になるんだなあと思って感心するとともに、テレビの人ってスタッフさんも含めてみんな格好がおしゃれだったり、楽屋とか廊下とか白くてぴかぴかだったり、かと思うとスタジオのセットは極彩色でハデハデに覆われていたりで、何か雲の上の別世界感がある。うーむこれはまるで神殿ではないか。テレビは現代の神である、なんていうと安手の文明批評のようだが、マジでそんな感じを受けた。

てな感じでアスガルドに迷い込んだナタリーポートマンのような気持ちになっている私であるが、もう13時近いのでお腹が空いた。リハが終わって、私の出番は17時頃からなので、それまでは待機。その間にご飯でも食べる。外に食べに行ってもいいらしく、毎日放送宛の領収書を切ってもらえれば経費で良いとのこと。スタッフさんは、申し訳ないけど2000円くらいまで、とか言うので、え?そんな豪華なランチ食べないっすよ、とか答えると、いやでも茶屋町のこのへんでは1500円くらいはゆうにしますから、と言われて、うみゅーと思いながら外に出てみると、やっぱり920円で食べれたじゃん。テレビの人的常識では1000円以下はランチじゃないのかもー。くものうえー。

ということでゆっくりご飯食べてジュンク冷やかしたりして楽屋に戻ると14時過ぎ。16時過ぎには戻ってろと言われてたのだけど、それにしてもまだ2時間もあるわけで、最近できなかった読書に勤しむ。で、途中喉が渇いたので水でも買えんかな、と楽屋の外に出てみると、すかさずお付きの人がやってきて自販機を教えてくれる。で、そう言えばメイクされますか?とか尋ねられるので、やっぱり何事も経験なのでやってもらうことにする。そしたらメイクの人も私が何者なのかちゃんと把握していて、顔とか塗ってもらってる間にクモの話とか振ってくれるのよ。何たる快適何たるホスピタリティー。顔塗ってもらったりシミ消してもらったりリップ塗ってもらったり眉毛整えてもらったりしたら、確かに見違えるようにキレイになったオレがいて。白いぜオレ。血色が良いぜ潤ってるぜオレ。ビックリした。そりゃ世の女性男性が化粧に走るはずだと思いました。

で、16時過ぎて、そろそろだよなー、とか思っているとしばらくしてスタッフさんが呼びに来てくれる。「楽屋で番組見てはりましたか?」とか聞かれて、不意打ちだったのでビックリする。そうか楽屋にはテレビがあったんだ。視聴習慣が無いもので、番組を見ておくという発想がびた一文なかったのよ。ごめんなさいごめんなさい、と謝ると「そうですよねえ」と理解をいただくので一安心。スタッフさんはひな壇にどんな人が座るかを説明したかったらしく、スタジオに続く控えの間に着いてから、そこに映ってるテレビを見て解説をもらう。ハイヒールモモコ太平サブローよゐこの有野は顔が分かるのだけど、若い落語家さんは知らないので顔を見て覚える。そうこうしているうちに堀くるみさんも登場し。角淳一も現れたので、スタッフさんに紹介してもらうも素っ気ない態度とられて、アレー?と思ったけど、それは今思えばスタジオでのトークを新鮮に行うために事前の接触を極力避けるためのものだったのかもしれない。どうでもいいけど、控えの間にはいろいろ軽食が用意してあって、好きにつまめるようになっている。こういうディテールがホンマおもろいねー。

そうこうするうち、前のコーナーが終わってCM。その間にスタジオに入って、セッティング。進行的には、角さんと司会の方が前トークしながらスタジオに入ってくるところから始まるらしい。その後、町で撮ったビデオを見ながらひな壇でのトークがしばらく続くという。その間、私と堀くるみさんは、スタジオの隅に並んで座ってモニターを眺め、お話しながら出番を待つ。で、ビデオ関連のトークが結構長くて、リハで時間超過した私としては、大丈夫かいな私の時間無くなるんでね?とか不安になってくるのだけれども、ともかくもそれも終わって、出番である。呼ばれて登場。で、まあやっぱり関西のタレントさんはよー喋るわけで、もう台本とか違う話がバンバン出てきて、でもまあ、こちらもそう言うのは大好物なので好き放題に喋る。ずっと人からは緊張しませんか?とか良く言われるけれど、私、まったく緊張しないのよね。なんせ、クモの話を、しかも自分の発見したネタを喋れるわけでしょ。ギンメッキの交尾器破壊ネタはもう鉄板だから、スタジオは大盛り上がりになるわけで、受けるとますます調子に乗る私としては、どんどんテンション上がって、と、ノリノリで喋れるわけですよ。正直、大学で講義しているよりずっと楽。そんなわけなので、台本にもないしリハでもしなかった話もぶっ込んだりしたので、当然時間が足らなくなって、後半1/3くらいはカットして終わる。いやー、破綻無く喋れて良かった。で、CM入りして、配られた水を飲み干していると、スタッフさんが来て、放送中に届いたメールがあるんだけど、これにコメントできるか?と聞かれる。クモ合戦の話なので、はいはいできますよー、と言ってる間にCM終わるので次のコーナー。堀さんの料理に。だけど時間が押していて、リハではレンジで三分やってるあいだにもう一品作っていたところがカット。CM中にレンジを回して、エンディングで試食して終了と言う流れに。私も食べさせてもらう。うれひい。で、ホントの終了まで一分切る中で、クモ合戦のコメントを少しだけ述べて、番組終了。お疲れさまでしたー。で、スタジオでアナウンサーの人と写真撮ったり「こんな授業なら私も受けたかったです」とか言われて「いやでも大学の講義だと学生の構えが違うからこんなに面白くならないですよ」とかいって同意してもらえたり。で、楽屋に戻って、後処理とかしてから帰ろうとすると、MBSのさかな博士さんに挨拶される。京大水産の出身らしい。うわー、こんなところで生き物話ができるなんて、としばし盛り上がる。そして桂吉弥さんとも喋ったり、堀くるみさんとも、またどこかで会うかも、みたいな話してお別れ。今思えば、恥ずかしがらずに皆さんと写真撮らせてもらえば良かったな。

で、すっかり暗くなった外の街に出て、15分ほどベンチに座って、興奮した頭をクールダウン。電車で帰ってきて、町の寄り合いに遅れて参加。地上に下りてきた気分。