海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

お楽しみ

学会は終わったがニュージーランドから関空への直行便は2日に1本しかなく、今日は調整で1日フリー。かねてからの計画通りアーサーズパス国立公園に観光列車で向かう。が、起きてみると雨がふったりやんだりしている。学会の遠足で行った人から、何も面白くなかったと散々にディスられていたうえに、山に行くのに天気が悪いんじゃあテンションも下がるわ。予報も1日弱い雨が続くというしさ。しかし、もう既に予約して料金も払ってるので行かないわけにはいかない。つうことでS宮さんと7時に宿を出る。鉄道の駅は宿から歩いて30分ほどなので、まあ歩くかと。少し迷ったけど無事到着すると、駅にはたくさんの人。うわー、なんかこれ人気なの?ひょっとして素敵なの?とか思う。けど、雨は少しずつ強くなってくるし、私は雨具の用意はない。考えてみれば、国際学会に傘とか持って行ったことないんじゃないかな?という話をしたらS宮さんに呆れられる。でもさあオレ天気操れるしさ。と心の中で嘯くもの、流石に今日の雲の形はヤバイ。晴れる気がしない。まあせめて雨さえやんでくれないかしら、と思ううちに列車が来るので乗り込む。観光列車だけあってキレイでゴージャス。ちょっとテンション上がる。ビュッフェ車両もあるのでコーヒー買って飲んだり。で列車はどんどん平原の中を走るの。ニュージーランドの平地はひたすら牧畜地で、牛やら羊やらウマやらアルパカやらいる。なんだい面白いじゃん。巨大水撒き装置があったり、5mくらいあるキレイに直方体に刈りそろえられた生垣が延々続いていたり、外を見ていると飽きない。しかしこの辺は山の上までほとんど木がないんだけど、あれは羊に食われているから?とか言ってると1時間くらいして列車は渓谷に入る。なんだいこれそれなりに良い眺めじゃん。なぜ遠足組はつまらないとかいうの?とか思ったら、どうもバスは別のところを走るらしい。あー、ケチらずに観光列車乗ってよかった。晴れてれば、高い山並みを見れるらしいけど、そこは全部雲に隠れていて残念。とはいえ、それがなくても結構楽しい。つうことで、席を離れて、屋根以外オープンになってて眺めがよく見える車両に行ってみてトンネル突っ込んでディーゼルの煙に巻かれてみたりするのも楽しい。で、列車は渓谷を過ぎ、高地にある広い河川敷の脇を進んで、アーサーズパス駅に到着。列車はこの後島を横断してグレイマウスという町まで行き、また引き返してくるので、私らはここで降りて列車が戻るまでの5時間、付近のトレイルを歩こうという趣向。高いところに登りたがるS宮さんとゆっくり歩いて生き物を見たい私とがいて、5時間の持ち時間で高いところに行くのはリスクがあるという現実的判断で低いところをウロウロすることに。ところが、虫はなんにもいないの。クモもほとんどいないし、学会発表がいっぱいあったので、絶対見れると信じて疑ってなかったザトウムシもゼロ。ってか寒くて虫がほとんどいないんだもの。日本で空港までの間着ていたマイクロダウン持って行かなきゃ寒さにやられてたわ。どうでも良いけど、昨日までの学会会場もエアコンがガンガンで、マイクロダウンずっと着てたことを白状します。なんで夏のニュージーランドで日本の冬と同じ装いしてんねん。ともあれ、丁寧に探しても何も出てこないのでションボリ。で、往復1時間ほどで滝を見れるというので虫を見ながら2時間ほどかけて少し登って滝を見に行く。ついたらとても立派な滝で満足。なんだよ楽しいじゃん。で、お昼食べて、今度は麓を歩く。これも1時間ほどの森の中のトレイルで、歩いているうちに空が晴れてくるの。で、ゴールについたらすっかり良い天気。ほらねやっぱりオレ天気操れるの。ってか天気の神様信じて傘持たないと神様に愛されるのよ、と、心の中で嘯くの。いや、しかしこの天気の回復は痛快で、ゴールは森から出るんだけど、すると両脇の山がピークまではっきり見えて、雪渓も見ることができた。大満足。で、暖かくなって少し虫も出てきたのでそれを少し観察してから駅まで戻って帰りの列車を待つ。が、なかなか来ない。どうもニュージーランド時間で運行されているらしい。こっちも慣れたものなので、のんびり待つ。と来るので乗り込み列車は30分遅れで出発。そしたら、行きと打って変わって眺めが最高。晴れてるとこんなに素晴らしいのか!と、あんまりに嬉しくなって、渓谷を出るまで1時間半ほど屋根しかない車両で風を浴びながら眺めを満喫。こんなに気持ちよくなって良いの?って感じ。いやークライストチャーチきたら、天気予報を見てこれ絶対行くべき。つうことで、帰ってきて、まだ残っている日本の人たちと晩御飯。南半球にいることの証明って、南十字星かしらコリオリの力かしらとかいう話になり、食事が終わって外に出たら、オリオン座が天頂付近に見える。が、なんか変だ。で、よく見ると、どうも上下逆さまである。その理路は酔っ払っててよくわからなかったが、これこそ南半球にいる証明として使えるよね、ということになる。