海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

市民の努め

ヨメサンと駅前に行って買い物した帰り道のこと、ちょうどウチまで半分くらい来たところで、1000円札が道に落ちていた。むき身と言うのが微妙にシュールだ。どうやったらこのような事態が生じるのか?とヨメサンと1000円札を囲んで立ち尽くすわけ。さあ、これどうしたものでしょう?個人的な利得から言えば、君子危うきに近寄らずで、見なかった事にして立ち去るのが一番であろう。しかし、むき身の1000円札がそのままではあまりに哀れな気がして、いや別に野口英世がどうこういうわけじゃないのだけど、放置したら風に飛ばされて、ドブにでも落ちて人知れず朽ち果てていくのかと思うとそれはなんだか物悲しくて、やっぱり何とかしなきゃいけない気がした。しかし、オレもオトナだ。10000円ならともかくも、たかが1000円をネコババする気にはならないわけで、っていうかヨメサンのオットである手前、町内でそんな所業にでるわけにもいかないじゃないか。やはりここは善き市民として交番に届けるのがスジではないか?と思うわけだけど、交番は駅前にある。ということは、ここまで半分歩いてきた道のりをまた逆に戻っていかなきゃいけない。10000円ならともかくたかが1000円のためにそんなことをしなきゃならないのか?やっぱ放置するのが一番では?と思考がグルグルした結果、ヨメサンに「一緒に交番に届けに行こう」といったら「あたしは忙しいからあんた1人で届けてきなさい」。ということで、1人トボトボ道を戻るのであった。で、警察で、「すみませんこんな小額でお手数取らせて」というと「いえいえ、ちゃんと届けていただくのが良い事です」とか慰められる。慰められたのか?>オレ。ともかく、警察としても届けられれば処理しなきゃいけないので書類を作りはじめるのだけど、所有権は主張するか?と聞いてくるわけだ。落とし主が現れたなかったときに自分のものにできるアレだ。で、私としては1000円とか権利を主張するのもはしたないわけで、「いや別にいらないんですけど、、」とか言うものの、それだと書類づくりが面倒になるのかしらないが「所有権は主張して要らなかった取りに行かなければいいよ」みたいな事を言われたので、じゃあそうします、ということに。で、途中から書類づくりが若い警官にバトンタッチされたのだけど、この人が要領を得なくって、説明している事がおかしかったり、私を落とし主さんと呼んでみたり、と、最近は落とし物を届ける人も少なくなったのであろうかなあ、と心配になった夕方であった。