海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

税吏唾棄すべき

去年の前半は新聞連載がまだ続いていてその原稿料が入り、後半は本を出版したので印税が入り、他にもたくさん講演とかマスコミ出演をしたので雑収入が過去最高の額になった。つうことは、確定申告で私的にはありえないほどの追加納税をしなくちゃいけないのである。で、申告書自体はだいぶ前にできていたのだけど、その追加納税を認めたくなくてしばらく放置していたところ、後10日ほどもすると期限なので、やむをえず支払いに行ってきた。重税感が大きい。で、夜、久しぶりにシネコンで「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」。東アジアの封建的価値観唾棄すべき、という話。税金のための領収書の山と格闘するミシェル・ヨーが他人事ではない。この作品のテーマは、ありうべきもうひとつの人生、というのと、親子の関係性、というのと2つあると思うのだけど、前者はマルチバースという本作の仕掛けに必然性を与えるテーマである一方で、後者はそのようには描かれていなかったところ、後半では後者のテーマのほうがより強く打ち出されていたので、ここをもうちょっと調整できたんじゃないかなあと思った。が、これは小さな難癖であって、作品としては大変面白くって、良いものを見させてもらった。