なぜクモの歩く速度が網の形に関係するかと言うと、餌が網にかかってもほっておけばそのうち逃げられてしまうからなのである。言い換えるとクモは餌がかかった場所まで早く行ければ行けるほど餌を手に入れる確率が上がると言うことで、理屈の上では網の端にたどり着くのに要する時間が全ての方向で等しくなる状態だと、餌捕獲確率が最大になる。ということで、クモによって上方向に歩く時と下方向に歩く時の速さに違いがあれば、その違いに応じて網の上下の大きさが変わるだろう、と予測されることになる。
で、調べてみた結果、この予測は概ね当たっており、網の形と歩く速度に対応関係があることがわかってきた。日本に住むクモの中には数種ながら上半分の方が大きな網を張る種がいて、そういう種では下半分の方が大きい網を張る種と比べて歩く速度の上下差が小さいのである。
ところで、クモが歩くところを映像に取るためにアクリル版で作った大きな枠の中に網を張らせているのだが、イタズラ心からその枠を上下逆さまにしてから網を歩かせる実験もしてみたのである。で、ここのところその映像を解析していたのだが、どうも通常よりも下方向への移動が遅くなり上方向への移動が速くなっている傾向があるような気がする（サンプル数が少なくて、はっきり結論できない）。もしそうだったら多くのクモが下方向に速く移動できる理由は重力だけのせいではないということで、ムチャクチャ面白い結果なのだけどなあ。サンプル数を増やしたくても西日本にしかいないクモなんだよなあ。うーむ、取りに行くか？
ところで、今日の夕方、ヨメサンが『食前？」と頓狂な声を上げた。子供のタミフルの袋にそう書いてあるらしい。ウチではずっと食後に飲ましていたぞアラ大変！と思ったが、良く考えて見ればバアサンも食後に飲んでいた。おかしい？と言うことでヨメサンが捨てかけていた説明書を拾い出してきたら、ちゃんと食後って書いてある。で、ネットでも検索してみたのだが、どうにも見つからない。いったいどっちなんだ？
まあそれはともかくとして、用法の指示が一貫しない薬局と言うのもどうかと思う。
