海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

ボー

ボーが出た。いつも思うがこのボーというのは、いったいどういう理由でもらえるのか不思議である。月給というのは、講義その他の仕事に費やす時間に対する報酬であると考えれば理解しやすい。しかし、ボーの出る6月と12月が特別忙しいかというと当然そうではないし、なのに貧乏学生だと半年くらいはゆうに食っていけるくらいの額を頂くわけで、なんか後ろめたさを感じてしまうのだな。まあ、院生→非常勤→ポスドクと、ずっとボーと無縁の生活を送ってきたせいで、単に慣れてないだけかもしれないけど(といっても、もう6年目だ)。あ、だからといってボーが要らないってわけじゃないので、そこのところよしなに。

今日はザーザーと雨。こういうときはクモの餌に困る。まあ一日くらい食わせなくったってクモは何ともない生き物なのだけど、一応傘をさして探しに出かける。するとキャンパスの森のクヌギの木のまわりに大粒の雨にも負けずにショウジョウバエがわんわん飛んでいて、いつものハナアブに比べると随分小さいのだけれど、贅沢は言ってられないので吸虫管でチューチューと吸う。すると口の中に、何かが醗酵しかけた甘い香りが拡がって、いかにもショウジョウバエがいるところじゃわい、と思ったのだが、匂いのもとは何だったのだろう?

匂いといえば、最近ゴミグモの飼育容器を開けると、こちらも少々匂うのである。ゴミグモは餌の残りかすを網に飾るためにゴミグモと呼ばれているクモなのだけれど、ここのところ大量に餌を与えているので、その残りかすが腐って容器の中に充満しているようである。で、文献によると、ショクヨウジョロウグモというのがやはり食べかすを網に残しておくのだが、どうもそれが腐った匂いにハエが引きつけられるらしく、ジョロウグモはその習性を利用して餌を採るらしい。ゴミグモの匂いを嗅いでいると、このクモも同じことをしているんじゃないかと疑われるのだが、卒論あたりでどなたか研究してみませんか?

Bojun T. Bjorkman-Chiswell, Melissa M. Kulinski, Robert L. Muscat, Kim A. Nguyen, Briony A. Norton, Matthew R. E. Symonds, Gina E. Westhorpe and Mark A. Elgar 2004 Web-building spiders attract prey by storing decaying matter Naturwissenshaften 91 245-248