海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

本当の紛い物

今日は隣の教育系大学で「科学の祭典」という催し。近年の理科離れに歯止めをかけようとでも言うのか、いろんな大学や団体が子供向けの科学実験などの演し物をする。で、珍しく甥っ子の小学生Sちゃんと4歳の妹のSちゃんが遊びに来た事もあり、ご近所だし行ってみた。で、お客は小学生くらいが中心だったわけだが、このくらいの子供に「こういうお祭りで科学に親しんでもらおう」ってのは、あんまり効果がないんじゃないかなあと思った次第。

なんというか、自然科学的な物の見方ってのは、自然じゃないと言うか私たちの直感的な物の見方と少しズレた部分で成立しているところがある。で、そういうのは具体的な事物と切り離して概念を扱えるようになって初めてわかるもので、それができるのは早くて中学生くらいからでしょう?そこを無理して小学生の興味を引き付けようとするから、どこのブースもただの見せ物で終わる事になっちゃうのだと思う。小学生に交流と直流の違いを説明したって意味ないって。いわんや4歳児においておや。

科学と親和性の高い人になるために、小学生くらいの頃に必要なのは、現実世界にある物を使って十分に遊ぶ事ですよ。ドッジボールでも紙飛行機でも虫採りでも。そうする中で身に付いた素朴物理学と素朴生物学が、長じて本式の自然科学を理解する土台になるのだと私は思うよ。

それはともかく、Sちゃんがとあるブースで人造イクラを作ったからと言って持ってきた。どうれ、と食べてみたら、甘かった。どうやら子供向けにジュースを中身にしたらしい。塩の口になっていたところに甘い衝撃をくらった大人たち悶絶。これは何とか敵を討たねばと晩ご飯はみんなで回転寿司。本当の人造イクラを食べて人心地つく。