「就活のバカヤロー」を読んだ。就活のしゅの字も知らない私だけど、この仕事をしていると全く無縁で暮らせると言うわけで無し。勉強でもしておこうという。で、この本は現在の就活がまったくの茶番劇になっている事を、学生、大学、企業、就職情報誌の4者がどのような振舞いをしているかを記す事で主張していく。それにしても、今や就活が三年生の秋から本格化する事は私のようなものでも知っているわけだが、と言う事は、企業は一年以上も先の自社の状態を推定して採用活動を行わなくちゃならないわけで、それには当然予測しなかった変化の影響を受けるというリスクが出てくるだろう。ここのところ世間を騒がす内定取り消し問題には、そんな就活の早期化の影響もあるに違いない。学生にしたって大学にしたって就活の早期化には何のメリットもない。つまりこれは典型的な共有地の悲劇の問題であって、適切な協力ルールの設定と相互のポリシングが問題解決の道に思える。それで困るのは就職情報誌だけだけれども、別にそこに気を使わなければならない理由はないような気がする。
- 作者: 大沢仁,石渡嶺司
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/11/14
- メディア: 新書
- 購入: 11人 クリック: 325回
- この商品を含むブログ (190件) を見る