海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

立つ鳥跡を濁す

ゼミ生から餞別の贈り物をもらう。ある日キャンパス内の崖地にある樹林で捕虫網を振り回していた彼を見つけて、声をかけたら筋金入りの昆虫マニア(なぜウチの大学にいるのか不思議だが)。以来仲よくなって、そのままゼミに参加。7年間のゼミ生の中で一番研究調査らしい活動をした人となったわけだ。で、彼が「お世話になりました」と言ってくれるわけだけど、私にしてみれば彼は生き物の話を何の気遣いもなく話せる貴重な相手だったわけで、お世話になったのはこちらのほうだよと言いたいのであるよ。

夜、学部の送別会。私の本務は教養担当で、学部に所属していると言っても、私的にそれは便宜上のものと位置づけていて、つまりこの7年間ほとんど学部の専門の人たちとは交流せずに暮らしてきていたわけ。私の所属は法学系で、まあなんというか法学と言うのは自然科学と全く別方向を向いた世界だから、その間で相互理解をしようとすると大きなコストが必要になる。で、そのコストは専らマイノリティたる私にのしかかってくるけれど、しかし私には得られるものがあまりないから、知らぬ存ぜぬが私の立場における功利的な選択肢になるわけだ。飲み会とかもこれまで二度しか参加した事がないと言う(そのうち進んで参加したのは1度だけ)。なので、今回も静かに去りたいと思っていたのだけど、許してもらえず、同じような立ち位置の他の教養教員が所用で一人も参加できないという孤立無援状態の中、参加。まあこうなったら仕方がない、どうせ辞めるんだしせめて世の中の役に立つ振舞いをしよう、と、キツイ事も含めて言いたい事をいっぱい言った。その要は、変わり者も社会で一定の役割を果たしているんだから、変わり者のままでいられるようほっといてやれ、と言う事。でも、正直上手く伝わった気がせず徒労感ばかり残ったと言う。