「首相官邸で働いて初めてわかったこと」を読む。民間ジャーナリストが菅政権の内閣広報室審議官となって経験したことを時系列順に書いた本。首相のメッセージが国民に届きにくい理由が民間人の眼からはどう見えるかと言う事がこの本の一番の面白さかと思う。なんか小さな瑕疵も許さない日本社会の潔癖性が根本に横たわっているような気がする。あと、不信任案否決の後、死に体になるかと思われた首相が、これまではなんだったの?と思うようなテンションの高さを見せた理由が書かれていて、なるほどそんな力学は端からみていてはわからない、と興味深かった。著者の視点からしか描かれていないので、どの程度真実に迫っているかはわからないけれども、震災と原発事故の時の事は大事な記録にもなっていると思う。面白かった。
- 作者: 下村健一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2013/03/13
- メディア: 新書
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