海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

自衛のための自給

「フードトラップ」を読んだ。砂糖、脂肪、塩分は、美味しい食べ物にとって大事な要素なのだけど(この本の原題は、Salt Sugar Fat)、摂取しすぎると健康を損ねる事は皆さんご承知の通り。で、この本は、加工食品会社が、いかにしてこの三要素を操りマーケティングを駆使して、操作されやすい消費者(特に社会的に弱い立場にいる人たち)に自社の製品を売りつけているかについて克明に書いているもの。三部構成でそれぞれの要素について書かれている。で、その中身はと言えば、一言で言って、ひどい。浅学にしてランチャブルズなる商品の存在を今回はじめて知ったわけだが、こういうのでお昼ご飯を賄うってのはある種の悪夢に思われるがどうか。彼の国の人はどうしてこの状況に耐えられるのであろうか。

基本的に経営側には売り上げの数値だけが興味の中心であって、そこで買う側の健康を考慮した人は無視されるか業界から出て行くかであるという。かくして三要素がたっぷり入って量的にもメガな加工食品がスーパーの一番売れる棚にずらりと並ぶ事になるわけだ。しかし資本主義社会において会社組織に食料供給を任せた場合こうなるのは必然とも言える。そりゃ外部にコスト押し付けられるなら、会社はそうしますわね。この場合のコストは消費者の健康になるわけだが(ちなみに日本の高等教育においても同じような事が起こっていて、そのコストは市民の教育レベルの低下で払われているのであるよ、ああ)。こうして考えると、食品コングロマリットとか成立を許しちゃいかんのじゃないかとも思ってしまう。食品加工業は、手の届く、顔の見える範囲でやりましょうよホント。

イヤこの本に書かれていることはすべてアメリカの話なので、日本は現状ここまでひどくないとは思われるけれども、TPPが締結された暁には、本邦も安閑とはしていられないのじゃないか。そんな未来への備えとして、ウチ的にはますます野菜の自家生産を進めていかなければならないのではないか、と気持ちを新たにした次第。

フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠

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