海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

総督の晩餐会

少人数科目3コマやってグッタリするけど今日は夜に予定が。私が今年から編集の一員として加わった某動物行動学分野のトップジャーナルは、某悪の出版帝国から発刊されている。で、そこのお偉いさんが京都に来るというので、悪の帝国から出ている数千の雑誌の編集者で京都在住の人を集めてディナーミーティングをするから来い、とのお達しである。さすが帝国は羽振りが良い。で、私としてはこちらの雑誌ではヒラの編集に過ぎず運営にコミットしているわけでもないので、別に帝国のお偉いさんと話してもしゃーないのだけど、一方でまた別の帝国に発刊を依頼している方の編集長をやってもいるわけで、いろんな帝国の統治法を知るのも役に立つこともあろうと思い参加してみたわけ。で、まあ、他にどんな人が来るのかさっぱりわからないので、人見知りの私としてはかなりドキドキして参加したのだな。当然お偉いさんとは英語で喋らなあかんしな。そしたら、集まって来た方はどうやらほとんどが旧帝大の人のようで、私みたいな中堅私立女子大勤めの人なんていないでやんの。珍しがられるので、ウチの分野ではこういうところに潜り込んでサバイブしなきゃいけないんだよー、と並列コンピューティングの編集されてる御年配の紳士に愚痴る。そうこうするうち帝国のお偉いさんが近づいてくるので、ちょっと以前から気になってることについて話す。というのは、こちらの編集して10本以上原稿を扱ってるのだけど、どうも査読を頼んだときに受けてもらえる率が、編集長やってる雑誌に比べて低いような気がするのだな。これはおかしな話だと思っていて、というのは、編集長やってる雑誌と比べるとこちらの雑誌は格上なのだ。格上から頼まれる方が引き受けてくれやすそうな気がするじゃん。で、この傾向は私だけなのかと思って調べてみるとどうもそうでもなくて、他の編集氏もかなり拒否られてる様子。つうことで、まあ考えられる1つの仮説は、この悪の帝国の悪い評判が影響してるんじゃないか?ということ。で、私も不躾なので、この仮設をお偉いさんにぶつけてみたらたいそういやな顔をされて、そんな話聞いたことない、と言われる。ふーんそうなのか。まあ気のせいかもしれない。さて、他の人と喋っていて、オレは動物行動の雑誌の編集なんだぜ、というと、何の動物が専門かと聞かれるので、クモ!と答えると、動物っていうから哺乳類とか鳥とかと思った、って複数の人から言われる。まあ世間の常識というのはそう言うものであろう。ということで、帝国の恩恵にあずかり、ホテルの美味しい食事をタダでいただいて、アカデミズムの世界ではあるが通常接点の無い分野の人と話せて割りと楽しかった。ありがとう悪の帝国。ということで、21時過ぎに帰宅。なんか今日から動物行動学が専門の大学講師を主人公にしたドラマが始まるらしいじゃないか。なんか不機嫌なジーンのトラウマが蘇ってくるが、そう言われたらチェックしないわけには行かないので見る。そしたら動物行動学はお話にまったく関係なくて、ただ主人公が変わった人物であることのエクスキューズとしてだけ使われているという。なんか本職としてはあまり気持ちの良い使われ方じゃないのよね。ドラマの内容もちっとも面白くなくって、これなら不機嫌なジーンの方がよっぽど良かった。あれは上田さん監修だったわけで、伊達じゃないんだな、と思った。H谷川E祐さんが協力としてクレジットされてたけど内容にはあまり関与してないんだろうか。しかしタイトルもなあ「僕らは奇跡でできている」って、なんか言いにくいじゃん。