海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

汚れちまった大人には

今日は一日呆けて過ごす。昨日までも無為に過ごしてきたので同じに見えるのだけど、拘束下で時間を潰すのと、何をしてもよい状態の中で呆けて過ごすのでは意味が違うよね。さて、泉大津軟禁下で読んだのが「ちいさい言語学者の冒険」。子ども侮るなかれ、という本。言語獲得の際の子どもが限られた手がかりから言語の使用法を極めて論理的に推論していっている、ということを具体的な例を豊富に挙げて説明してくれている本。とにかく感銘を受けたのが、か行の濁音化がが行になるのは、口の動きが同じながらも発声法を変えることで行う、というところで、じゃあ、は行の濁音化が同様にできるか、というとできなくて、子どもには行の濁音はなーに?と聞くと答えられなくなるという話。私ら大人は学習によって、それをば行と考えるわけだけど、それは一貫性の欠如を無視しているからできること、というね。もうむちゃ面白い。あと、語の意味範囲を確定していく中で起こる過剰拡張や過剰縮小の話も、そう言われればあるある。あー、ウチの子が小さいうちにこの本を読んでおけば、子育てがもっともっと楽しく発見に満ちたものになっていたろうになあ、と思いました。