海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

貯金

ミシマガに連載しているコラム、8月末までにあと10本書く、という約束をホシノさんとしていて、本当はもうちょっとたくさん書いておきたいところなのだけど、それに加えて9月半ばまでに別に最低3本書かなきゃならなさそうで、ということは週1ペースだと間に合わない。そして私の7月後半から8月にかけては怒濤の講演ラッシュで5日に一度はお座敷があるということなので、これは今のうちに少しでも稼いでおかなきゃならないので原稿に取り組む。二本書きたかったところだけど、木曜明けの金曜日なのでどうしてもエンジンがかからず一本に留まる。まあでもヨメサンに読んでもらったら、お褒めに預かったので良いでしょう。

落差

1週間ほど前に、木曜日に会議があるから、という連絡があったのだけど、その時間、ちょうど私は授業と重なっていて、「申し訳ありませんが授業があるので欠席します」と嬉々として連絡したのである。こんな幸運がオレに訪れるなんて!!が、数日前になって「授業で出れない人が多かったので昼休みに時間を変更する」という連絡が再度あり、うううう昼休みには予定を入れていない。。。っていうか昼休みは休ませろよって思うのだけど、そんなの通用しないので止むなく会議に出ることになった。一度ぬか喜びしたのでダメージが大きい。いや、別に30分くらいの会議出たって構わないんだけど、幸運が訪れた喜びってのがあったのに、それを奪われてしょんぼりよ。今日は7時に大学について、2コマの授業と学部長が出る会議がある日。終わったら18時。

案の定

二時間目は立ち講義。対面とZoomを両方やるハイフレックス型にしているのに先週は受講生の1/3ほどが教室に来ていて、聞いてたのと違うよ!と思ってたのだけど、今日は6人しかいなかった。1割以下だ。そうこなくっちゃ!これが普通だよ。誰がわざわざ人の話を聞くために教室まで出かけるもんかよ。Zoomで十分。対面授業を再開しろって言ってた人だって、本当は立ち講義を対面でしたいわけじゃあるまい?そうじゃなくって友達とキャッキャウフウフする場が欲しいんだろ?だったら授業と切り離して正直に論じてくれよ。話がおかしな方向に行ったじゃないかよ。ということで、この講義もあと2回。どこまで減るか楽しみだね。で、3時間目はZoomで、その後教授会。学部長の出る会議で決まったり検討していることを教授会で報告する役回りが私にはあるのだけど、正直報告すべき内容のことをちゃんとわかっているわけではない。説明を受けてはいるものの、膨大な大学運営の諸事のことなんか全部わかるかい!で、わからぬままに説明するわけで伝言ゲームになっちゃって、組織のコミュニケーションが不全に陥りがちなので、このシステムは良くない、と、この1年数カ月言っているのだけど、なかなか聞いてもらえないので、今日もわけのわからないことをさもわかったような顔して説明する、と、今日のは重たい話題だったので厳しい質問が来る。ので、わからないなりに答えるんだけど、結局ごまかしだよなそれ。どんどんしどろもどろになるオレですよ。会議が終わった後で、聞いていた人から「どんどんアホになっていってるのが良くわかった」と言われて、まあバレてるならそれでも良いやと思った。で、教授会が終わった後にもう1つカリキュラムを変えるための会議を主宰しなくちゃならなくて、もう終わった時はヘトヘト。わからん人間に議論させるのって不毛ですよ不毛。

オトナになった

ヨメサンの若い時の友人が去年和食の店を開いたと聞いて、一度行かなきゃとずっと言っていたのにこのコロナ禍だ。なかなか機会がなかったところ、やっとチャンスを得てヨメサンと行ってきた。新町六角を東に入って少し北に上がったところだ。若い時には、ヨメサンが捕まえてきたスッポンを料理してもらったことがあって、私の人生でも一二を争う旨かった食い物であったので、その彼がついにお店を持ったわけだから、もう行くわね。で、細い路地を通ってお店に。いやこれ知り合いとかじゃなかったら怖くて絶対入れないところだけど、まあオレもオトナになったので、こういう店を知るようになったのだねえ。で、そもそも合うのも10年近くぶりで、お客さんはウチ2人だけだったので、存分に旧交を暖めあって、たらふく旨い物食わしてもらってご機嫌で帰ってくる。お大名だからタクシーよ。っていうか、友人と知りあったのは私が30代になった頃で向こうが20代後半。もう子どもじゃないけど、でも、まだ自分の人生がこの先どうなるかまったくわからなかった頃だ。それが20年を経て、向こうはお店の主になり、ヨメサンは議員になって、私も本を書いたりして、それなりに何かを達成してきているわけで、なんか感慨深い。この感覚って、例えば中高の同級生とか、研究室で一緒だった人とかと会った時とはまたちょっと違うものだな、と思った。なんていうのか、いわゆる青年期っていうのを思い出せたからかなあ。っていうか、オレにもあったんだなそういう時期が。

透明人間

2月に路上で1000円札を拾って律義に交番に届けたことがあって、そのくらいの額では落とし主が名乗り出てくることもなかろうと思っていたら案の定であって、5月の半ばごろに所有権が私に移ったのである。が、その権利を行使するには隣町の警察まで行かなくちゃならなくて、緊急事態宣言中ということでぐずぐずしているうちに時間が経ち、後二週間ほどでその所有権さえ失われることに気がついたのだな。いや1000円と隣町まで行く手間を比べると微妙なのだが、所有権を放棄したらそれが今の政府を潤すかと思うとそちらが口惜しい。ので、夕方早めに原稿書きを上げて、もらいに行ってきた。平日の9時5時しか窓口がやっていないからやむを得ない。その後の夕食はヨメサンと某お店でパスタを食べたのだが、そこがなんかQRコードを読み取ってそこで出てくるメニューから注文するシステムになっている。うげ、ケータイ持たないオレ一人じゃメシも食えない時代かよ、ヨメサンがいて良かった。と思ったら、気取ったヨメサンが店の人に「スマホ持ってないと注文できないの?」と聞くわけ。そしたら店の人「いえ、直接言ってもらっても大丈夫ですよ。充電が切れかかっててスマホ使いたくないってと気もありますよねー」と、爽やかに返された。。。オレみたいな人間の存在なんてもう想像すらしてもらえない時代なんだな。。。

筋トレ

ヨメサンの議会が一息ついたのでこの土日は2人で田んぼの草取り。並んで三列ずつ取るのだけど、ヨメサンの進行ペースが私の二倍ほどなのはなぜだ。いや、単に取る密度が1/2なだけであって、私がヨメサンの後をもう一度追っかけて取らなきゃならなかったという。効率悪い。しかしこの中腰の作業は、二時間もやるとふくら脛から太ももの裏までパンパンになって、もう起き上がれなくなるのよ。

つながりを切れ

ローマ帝国の崩壊: 文明が終わるということ」を読んだ。(知らなかったが)ゲルマン系民族の侵入によって終わったローマ文化だけど、ローマは彼らによって滅ぼされたというより、彼らが穏やかに同化することによって文化が変容して中世になっていった、という節に対して「いや、やっぱり帝国は滅んだのであって、そこには相応の傷みが伴ったのだよ」ということを主張する本。前半は、そのような帝国崩壊に伴う軋轢を丁寧に記述していて、後半は滅亡に伴うグローバル経済の崩壊が特に西方世界の人々の暮しをどの程度低下させたのか、ということが書かれていた。帝国時代の大規模な分業化と各地が結びついた経済は、上手く行っている時は民の生活水準を向上させ豊かな暮しを実現させていたわけだけど、いったん全体の結びつきが切れると、各地で自給的な経済にすぐに戻せるわけではなく、技術などの水準ががた落ちして、生活レベルが激減したらしい、ということが書かれていて、まったく他人事じゃない。だから最低限そうなっても食べ物くらいはなんとかできるようにしておかないと、と思ってるんだけど、これに同意してくれる人は少ないわけで、多くの人にこの本読んで回りたい気分よ。