海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

つながりを切れ

ローマ帝国の崩壊: 文明が終わるということ」を読んだ。(知らなかったが)ゲルマン系民族の侵入によって終わったローマ文化だけど、ローマは彼らによって滅ぼされたというより、彼らが穏やかに同化することによって文化が変容して中世になっていった、という節に対して「いや、やっぱり帝国は滅んだのであって、そこには相応の傷みが伴ったのだよ」ということを主張する本。前半は、そのような帝国崩壊に伴う軋轢を丁寧に記述していて、後半は滅亡に伴うグローバル経済の崩壊が特に西方世界の人々の暮しをどの程度低下させたのか、ということが書かれていた。帝国時代の大規模な分業化と各地が結びついた経済は、上手く行っている時は民の生活水準を向上させ豊かな暮しを実現させていたわけだけど、いったん全体の結びつきが切れると、各地で自給的な経済にすぐに戻せるわけではなく、技術などの水準ががた落ちして、生活レベルが激減したらしい、ということが書かれていて、まったく他人事じゃない。だから最低限そうなっても食べ物くらいはなんとかできるようにしておかないと、と思ってるんだけど、これに同意してくれる人は少ないわけで、多くの人にこの本読んで回りたい気分よ。