海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

すちゅーぴっど・ほわいと・めん

2003年2月20日、俺の前には一冊の本がある。なんて事だ、最初の10ページを読んだだけで、俺はこの本の虜になってしまった。


何日か前に俺は、友達(今は生き馬の目を抜く東京砂漠で働いているんだ)からメールを受け取ったんだ。そこには、あるドキュメンタリー映画のことが記されていた。


俺もその映画のことは知っていた。でも、俺の住むこの片田舎じゃあ、くそいまいましいハリウッドが作るお涙頂戴か火薬満載の映画しかかからないのが普通なんだ。だから、俺はその映画のことを、考えないようにしてたんだ。だって、悔しいもんな。


ところが、ああこの世もあんまり捨てたもんじゃない、東京からは遅れるが4月にこっちでも上映することがわかったんだ。あんまりうれしくって、俺はアマゾンから本を注文し(その映画の監督がこの本の著者なんだ)、今それが目の前に置いてあるって寸法だ。


本当は、この本はずいぶん以前に目にしていたんだ。内容にも引かれるとこるがあるのはわかっていた。でも、表紙のあまりにも「映画秘宝」系のビジュアルセンスに、ついつい手を伸ばし損ねていたんだ。話はそれるが、この本は壮丁のせいでずいぶん損をしているに違いない。そのうちこの本が売れているという話が聞えてきた。俺みたいなひねくれ者はこうなってくると逆に読めなくなるんだ。


でも、今回は違う。天の配剤か、今俺はこの本を読んでいる。いや、俺だけじゃない。俺達はみんなこの本を読むべきなんだ。だって、その面白さったら、俺の文体まですっかり乗っ取られてしまうくらいなんだから