海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

生態系ピラミッド

昨日、友人とメールをしていて畑で食えるか?という話になったので紀伊国屋に行って「それでも百姓になりたい!」今関知良、ISBN:4870314444てきた。脱サラして農業を始めた筆者の、主に金銭面に関する体験を綴った前半と、日本の食と農のあり方に関する筆者の意見が書かれた後半からなる本。


日本では農業から得られる現金収入は平均すると100万弱らしい。とすると、まだ学校にいっているような子供がいる家庭だと他に何らかの現金収入の手だてが無いと苦しい。とすると兼業農家と言う事になるのだが、日本だと他に職を持ったまま、新規就農するために農地を買ったり借りるには制約があるらしい。いい加減な気持ちで農業に参入してくる人を排除する必要があって、で、専業化する事が農業への熱意を示す事になるのだとか。なんか、この国のシステムって間違っている。


で、この本を読むと筆者は数十から百人程度の定期的に野菜を送る顧客を持っていたように推測されるのだけど、本当に農業の生産性は高いのだなあ。社会には、物を右から左に流すだけだったり、(私のように)口先三寸で何も生産しなかったりする人たちが、こんなに溢れているのになぜみんな食っていけるのかと不思議に思っていたが、不思議じゃないんだなあ。


あと、食料自給率の低さってのは日本の大きな問題点だと思っていたのだけど、これはある種の数字のマジックで、肉や飼料の自給率の低さが全体を引き下げている部分があるように読めた。ということは、もし食料が外国から入ってこなくなったとしても、肉をあきらめて野菜中心の生活に切り替えれば、飢饉が起こるほどひどい状態にはならないのかもしれない。キューバで実際に似たような事が起こっているらしいし。


まあしかし、こういうのを聞くと「栄養段階の数を減らせば、それだけ多くの動物を支える事ができるってことだな」と考えたくなるね。