海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

透視も念写も事実である

「透視も念写も事実である 福来友吉千里眼事件」寺沢龍、ISBN:4794212747る。千里眼と念写を真摯にかつ慎重な手続きをもって研究をしていた福来博士は、最初から超能力を否定することで名を売ろうとした若い物理学者達の巧妙なマスコミ工作(とおそらくは陰謀)によって東大を追われたらしい。昔も今も正当な学問的手続きによるのではなく政治的な手法をもって他者を攻撃するエセ学者と言うのが跋扈するのであるのだなあ。

もちろん今の私は超能力が存在すると思っているわけではない(福来博士の側に立って書かれたこの本を読むと、まるで透視も念写も事実であるかのように思えてしまうけれど。「造物主の掟」ISBN:4488663079の中にあるように、科学者は奇術師ほど超能力のウソを見抜くのが上手くないということだろう)。しかし福来博士が生きていた当時は、まだそのような現象が発見されたばかりである。一通り調べてみるのは当然である。結果、ウソだった・無駄な研究だった、でもかまわないではないか。学問と言うのは、多くの間違った方向性をもった研究の上に成り立つ。なにせ研究と言うものはわからないから始めるのだ。すべてうまく答えが出るはずが無い。

ところがその当時の反対派は「そんな迷信の研究は無駄だからやめてしまえ」という。そういうところに最近巷に見られる学問軽視の風潮と重なり合う部分を見てしまい、何だか少しイヤな気持ちになった。