海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

国際行動生態学会議一日目

ユバスキュラという、やられ役怪獣のような名前の街にはるばる来たのは国際学会に参加するからなのである。学会というのは目から鱗が落ちる発表めじろ押し、と言うわけでは必ずしもないのだが、それでも一日座って苦手な英語の聞き取りに四苦八苦していると、いくつかは面白い話を聞く事ができる。

ヒタキの仲間で、自分の巣を作る場所を決める時に、同種他個体の巣をいくつも偵察してどのくらいヒナが巣立ったかを観察し、その情報に基づいて個々の地域が繁殖に適しているかどうかを見積もる種がいるらしい。

アリは体表の炭化水素の違いによって、他のアリ個体が同じ巣のメンバーか他の巣に由来しているかを見分けている。であるから、アリの巣の縄張りというものは、異なる巣に属する働きアリが接触する事によって結果的に現われるものであるとされるのが一般的であったが、どうも中には餌を探して歩きながらフェロモンを地面に落とす事で働きアリがいなくても他の巣のアリに「ここは我が巣の領域である」と知らしめる種がいるらしい。犬のマーキングのようなものか。