海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

「不機嫌なジーン」のロケ

お昼にヨメサンから電話がかかってきた。「あのー、隣の大学の理科教育の建物の屋上で「不機嫌なジーン」のロケやってるみたいなんですけど」。ここ何日か「不機嫌なジーン」と「東京学芸大学」で検索をかけてくるケースが散見されて不思議だなあと思っていたのだが、そういうことだったのか。うっかり研究室を抜け出して見に行ってしまったじゃないか。結局何も見れそうもなかったのですぐ帰ってきたのだけど。それにしても、今度の月9はとことん私の周辺に絡んでくるなあ。


アリの中には働きアリも卵を産むことができる種がいて、そういう卵は他の個体から食卵を受ける場合がままある。で、先日デジタル化した映像はそういうシーンを撮影したもので、産卵した働きアリと機能的女王を含む5個体のアリが絡む卵の一大争奪戦が繰り広げられる。ところが動物行動の映像データベースに登録するために圧縮してサイズを小さくしたら、肝心の卵が見にくくなってしまった。さらに、多くの個体が目まぐるしく動き回るために、誰が誰なのか私にしかわからなそうである。ということで、Final Cut Expressを使って主要プレイヤーと卵を追っかけるマークを映像中に合成して、動物行動の映像データベースに登録した。

で、その作業をしながら、やはり社会性昆虫研究の面白みは、社会の中で同時並行して起る出来事が、ときどき影響しあいながら全体として思いもしない展開になっていくことなのだなあと再認識する。作業中には映像の一部を拡大してマークをつけているのだけれど、突然その領域の外から他のプレイヤーが乱入し影響を及ぼして、また去っていく。で、そのプレイヤーは少し前に、今着目している個体から影響を受けていたりするのである。昔はこういうテーマが好きだったなあ。

就職してから、設備的人員的な制約で社会性昆虫の研究は中断しているのだけど、状況が許せばまたいつか取り組んでみたいテーマであることだ。