海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

中心はどこだ?

今はぁー♪、もう秋ぃー♪、だぁれぇも、い、なぁいうみー♪というわけで、今朝は浮かれちゃうほどに涼しい。こんな日に、体が夏バテ解消を図るのは毎年の常であって、つまり今朝はうっかり9時まで朝寝坊。いやあ、失敗失敗。いつもなら7時前に起きて騒ぎ出す子供たちもずっと寝ていた事で、暑さ知らずのような彼らにも疲れが来ていた事が知れる。


気恥ずかしさを覚えながら研究室に行き、写真から起こした座標データの解析。前にも書いたように、クモは網の上で縦糸を引っ張って歪ませているのだが、どうも方向によって歪み具合が異なる様子。で、その歪み方をクモがいるときといないときの網の写真を比較する事で調べようと思いついた。具体的には、縦糸上の任意の点は、クモがいると中心部に引っ張られ、いないと外側に拡がるから、その拡がり方の違いを水平方向と垂直方向で比較するというわけだ。そのために58組116枚の写真で全ての縦糸(30-40本ほどある)で同一点の座標をひたすら落とし続けた。合計3000-4000点ほどの座標データだな。

ところがここに問題がある。それは、クモが網からいなくなる事で、網全体の位置がずれてしまうことなのだ。つまり、縦糸上の任意の点の拡がり具合を調べるために、二枚の写真を単純に重ね合わせるのではダメで、網毎にどのくらいずれが生じているかを見極めて、補正してやる必要がある。なんだいそんなの中心の座標を調べれば簡単じゃないかと、私も最初は軽く考えていた。しかし、網の中心って一体なんだ?

縦糸が一点に交わっている場所?実は網の中央部はそんな単純な構造ではなく、さらにクモが網の上に乗っていれば縦糸の終末点は隠れてしまっている。じゃあクモの体のどこかを中心と定義すればいい?でも網に乗っていないときは中心が決められない。横糸一周分の座標を調べてその重心をとればいい?横糸というのは円を描いているのではなくて、らせん状だから重心は中心とは違う場所になってしまう。

というわけで、網の中心がどこかは上手く決められない。しかたがないので、ずれの距離をx,yとして、測定した各縦糸上の点の拡がりの総和をその関数として表し、それを最小にするx,yを決めることにする。登場したのが、購入以来二年間、HDの肥やしとして鎮座していたMathematica。10行くらいの命令を書いて、網毎に座標データを流し込んで完成。いやあ、いつか役に立つかもしれないと思って買ってて良かった。これがなければ、こんな方法を取ろうなんて思いもつかなかったよ。アイデアは道具に規定される。


日もとっぷり暮れて帰ってくると、上の子が寝ぼけた顔でお出迎え。夕方遅くから昼寝に入って起きたところだとか。朝寝坊した上に、昼寝が遅けりゃあ、夜は寝つきが悪くなる。10時過ぎてもまだ起きているので、ヨメサンが四苦八苦して寝かせつけようとするも、すぐに起き上がって居間の私の所に来て、寝室に引き込んで遊ぼうとする。なので「ちゃんと眠るんやったら、ネンネ部屋行ってやるで」というと「うん」というので、寝室に向かう。で、上の子しばらく目をつぶるフリをするものの、すぐに目をパッチリ。で、ヨメサンが「こら、ちゃんと目をつぶりなさい」というと「だって、目をつぶったら、お父さんが見えなくなるもん」。。寝たくないがための屁理屈とはわかっていても、ちびくろサンボのトラもかくやとばかりにドロドロのバターになる私。