海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

勉強の交渉

そろそろ年度末も近づき、残った研究費の使い道を算段する時期である。で、学生さんたちが使えるような、安い(といっても三万数千円する)実体顕微鏡を何台か買おうと思いついた。これまでその手のものが全く無くて、ゼミの時間などでもあまり生物学っぽい事をさせてやれなかったので、余った研究費を投入してでも設備を揃えるのは私の責務だと考えたわけだ。今年は科研費もあって余裕があるしね。ところが、そのように事務に打診してみたら「研究費で講義のための備品は買えません」と言われてしまう。えー?!じゃあ教育用にお金を使うには、どうしたらよいでしょうか?と尋ねると、それ用の予算があるので来年度になってから申請すれば三万円ほど使える、と。

ひー、それじゃ一台しか買えないじゃないですか。私が使って見せるんじゃなくって、学生さんたちに手を動かしてもらおうと思っているので台数が必要なんだけど、と食い下がると「三万円以下なら消耗品扱いなので、特に問題は無いかと」と言われる。仕方がないので、当初狙っていた品物はやめて、もっと安価なものをネットで探す。すると、手ごろなものが見つかったのは良いが、値段が30980円。むー。しかし、ひょっとしてまけてくれるんじゃないか?とダメモトで電話して状況を説明すると「ほな勉強させてもらいます」と相成った。ありがたいありがたい。

しかし、私的には研究費の投入と言う事で自己犠牲的行為のつもりだったんだけど、制度的に阻まれそうになるとは予想外だった。後から思えば、文系大学だからある程度の値段の備品が教育に必要だという前提がそもそも無いのだと理解されるが。この二年で、こう言うのにもだいぶ慣れてきたつもりだったけど、まだまだ落とし穴がいっぱい残っていると言う事か。今回もし打診せずに勝手に発注してたら面倒くさい事になってたろうなあ。

こないだリジェクトされた原稿を別のところに投稿する。解析を大幅にやり直して、かつこの一週間は試験があった事を考えると、二週間ちょっとで再投稿に持ち込めたのは、まずまずの速度かな。えーっと、二ヶ月ほど後にまた悲しい思いをしても大丈夫なように、今回も出した事に意義があると言うことにしておく。

ウチに帰ってくると上の子が39度の熱を出していた。