海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

あっちとこっち

角度データがあった時に、それがランダムなのかある方向性を持っているかを調べるのがRayleighの検定なのだが、これは方向が一つに定まる時に上手く行くやり方だ。で、角度データには、例えば正午頃腹部をお日さまに向けたい動物の頭の向き、と言ったように逆を向いた二つの方向性を持つ場合もある(この場合は東と西のどっちでもいいからね)。データがこんな風になってるな、と思った時に行う方法が、元データを2倍してRayleighを使うやり方。角度データだから2倍すると180度逆を向いている二つのデータが同じ方向を向くことを使うわけだ。

で、昨日取り寄せて今日届いた1991年の論文に書いてあったのは、2倍じゃなくて、例えば1.5倍とか3倍とかすれば、二つの方向性のなす角が240度とか120度とかでも扱えると言う事。broken axis approachと呼ばれるらしい。言われてみれば全くその通り。それにしても、2倍がオッケーなら1.5でも3でも良いじゃないか、と考えるのって、とっても数学っぽく映る。私は個別具体に囚われがちな人間だから、180度逆を向いているのは特別なケースで、だからこそ2倍するという特別なやり方ができると、無意識に思い込んでたのよね。数学の発想って素敵だな、という話。