海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

新陳代謝

週末の宿の事を書こう。今回は前泊するために、いつも使っていた白馬アルプスホテルをあきらめた。ここは値段の張るホテルで、前泊するといかな大人な私と言えども苦痛なほど宿泊料が上がるからだな。という事で岩岳でリーズナブルな宿をヨメサンが探してくれたわけだ。で、結論から先に書くと、この宿が大変心地よかった。設備が豪華と言うわけではないけれど、部屋はキレイに整えられていて、ダイニング・ラウンジとスキップフロアになって宿全体が一つにまとまった感じがする。だから普通の宿のように自分の部屋に隠るのじゃなく、自然に部屋から出て館全体を使うようになって、そのために解放感があるわけだ。宿の奥さんの優しく親切な人となりもあって、まるで友達の家にでも泊まらせてもらっているかのようにくつろげるのだな。バブルの頃のスキー場を知っている私としては、そうかスキー宿に居心地の良さを求めても良いんだ!というのは地球がひっくり返るくらいのパラダイムシフトなのだな。しかも値段はリーズナブル。岩岳の民宿に比べると若干高いけれども、アルプスホテルとは比べ物にならないほど安い。

そしてラウンジには薪ストーブ。実用に供されている薪ストーブを見るのは初めてだけど、もちろんこれが暖く、かつ焚火マニアの私的には炎を見ているだけでもう幸せ。私も欲しい欲しい欲しい。ご飯はもちろん手作りで上品なお味についついヨメサンとワイン一本空ける。

しかも、この週末、お客はウチだけで、つまりこのくつろげる宿を独り占め。オーナー夫妻二人だけでやっている宿なので(といっても若いご夫婦なので、昔風のペンションにありがちな胡散臭さとは無縁)、もともとたくさん客が泊まる宿ではないのだけれど、それにしても今回ウチだけとは、全くラッキーな事である。おかげで奥さんと個人的な事も含めていろいろお話させてもらって、ホントに友達みたい。

バブルの頃のスキー場を知っている私としては、週末に宿が貸し切り状態になるとはなんか隔世の感がある。Planet Earth, Planet Earth, Can you hear me?。いやそれにしても、いくらスキー業界斜陽と言っても、こんな素晴らしい宿をわずか1週間ほど前にふらっと電話して予約できるはずがないとバブルの亡霊が私にささやくわけだ。で、聞くと、古いロッジを買い取ってリニューアルして営業開始したのが去年の事らしく、簡単に泊まれたのはまだそれほど名が知られていないからではないかと推察する。なるほどこれはきっと数年もすると、簡単には予約できない宿になるに違いない。という事で、本来ここで宿の名前を皆さんに紹介したいところだけれども、自分たちの事を考えると、ここが有名になる事態は少しでも先延ばししたいところ。それに奥さん曰く「部屋数的にはもう少しお客さんを入れられるけれど、そうするとくつろいでもらうのが難しくなるので、わざと少ししか予約を受けないようにしている」とのこともあり、申し訳ないけどネットに書くのは控えるのであるよ。

という事で、あの店この店が無くなった!という話ばかり続くスキーの話題だけれども、こんな風に新たに良いところが見つかる事もあるわけだ。なので、まああんまり後ろ向きになる事もないわけですよ。

早速二月にも予約を入れさせてもらったと言う。関西から白馬はちょっと遠いなと思ってたけど、この宿に泊まれるなら全然問題ないやね。