海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

一張羅哀れ

朝から電車。卒論生の中に教育実習をやっている人がいて、実習校に挨拶回りに行かねばならないのだな。で、慣れないスーツ着て(と言ってもクールビスのおかげで上着もネクタイもなしなのでだいぶ楽だが)大阪市内方向なので他人と触れあわざるをえないような、いわゆる満員電車に乗る。しかし、最近は満員電車にほとんど乗ってなかったので気がつかなかったけれど、これだけ大勢がスマホいじってると、満員とはいえ一人が占有する空間は大きくなるわけで、更に暑苦しいですな。っていうか、世の人はこれだけパーソナルスペースに他人の侵入を許している状態で、よくそれを無視してスマホに視線を没入できるものですな。私なら、こんないつどこで誰かに殴られるかもしれない状況なら、常に周りに目を配っていないと不安でしょうがないのだけど。こういうのも慣れるのだろうか。とか言いながら大阪に着き環状線に乗って鶴橋で近鉄に乗り換え。向かうのは東大阪なのだけど、ふと気がつくと電車は八尾の駅に止まっている…オレの知っている八尾は大阪と東大阪の間にはないぞ!と路線図を見ると、間違った電車に乗っちゃったじゃん!慌てて引き返して、駅からタクシー使ってギリギリに目的地の小学校に間に合う。余裕持って家を出発していてよかった。で、卒論生が授業をするのでそれを見るのだけど、その前に校長室に通されて、とりとめもない話をする。こっちは小学校の先生に必要なスキルのことなんか皆目わからないし、先方も卒論生のことを知っているわけでもない様子。自ずと話題もなくなるわけで、互いが交互に発話するものの会話にはなっていない時間を過ごす。そして卒論生の授業を見て、まあ近頃の学校はシンプルな加減算を丁寧に教えるものだと感心する。良いんだけど、あれはできる子には退屈だよなあ。っていうか、アキュムレーターくらい我々の神経系には装備されてるわけで、ただの加減算ならほったらかしててもほとんどの子供は勝手にやれるようになると思うんだが違うのかな。で、終わって、特に何か言うべきこともないので、適当に愛想笑いだけして帰ってくる。疲れた。いや、卒論生はちゃんとやってるし、そういう場面を見ることができるのは素晴らしいのだけど、彼女がちゃんとやって先生としての技量を身に付けるのに、私の訪問は何の役にも立たないわけで、私は意味のないことをすることに大きな精神的ダメージを受けるタイプなのですよ。いや、日本はこれからどんどん貧しくなっていくわけで、意味のないことをしている余裕なんてなくなってくはずなんだけどな。ということで、くたびれてしょんぼり歩く帰り道。猛スピードで走ってくる原付に水たまりの水はねかけられて上から下までびっしょりになって大変惨めな気持ちになる。と、数分後に今度は車に水はねられて、再度びしょぬれ。辛い。で、午後、今日は木曜日だから定例クモ調査に行かねばならないのだけど、昼前からずっと雨だ。訪問にさえ行かなければ雨の前に終わらせられたのに、と、雨が止むのを待つのだが、全然止まずに日が暮れる。結局調査できなかった。

というわけで、あまりに気持ちがくさくさするので、こういう時はあれだ、シネコンだ。「マネーモンスター」。テイクアウトの箱入りチャイニーズってどうしてあんなに美味しそうなんでしょうね?という話。期待せずに見たけど意外と面白かった。金融資本主義に対する批判がもっとあったらと個人的な趣味では思うものの、大作ではないハリウッド映画の良作としてかなりいい線いってると思う。私は、こういう映画がもっと見たいんだよ。マーベルユニバースのとかじゃなくってさ。