海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

内助の功

4月の終わりに注文していたNikonの実体顕微鏡がやっと届いて、少しは生物屋さんの研究室らしくなった。で、来週からクモの飼育にかかるわけだが、これは去年足りなかったサンプル数を増やすために行うので、去年に引き続き餌にハナアブを集めにゃならん。ところがキャンパスの野草生え放題だった場所が最近ぜーんぶ刈られてしまってハナアブが見当たらない。この大学潤ってるのか細かいところまで手入れが行き届いてるんだよなあ。

こりゃあ10分ほど歩いて近くのシロツメクサだらけの河原までいかにゃならんのか、毎日だと面倒だなあと思って今日ウチに帰ったら、ヨメサンが「ハナアブ見つけといたから」と言う。ヨメサンいつも子供をウチの前にある元国立の教育系大学のキャンパスで遊ばせるのだが(教育大学の学生さんは子供好きが多くてほぼ100%誰かが遊んでくれるらしく、その間は気を抜けてウハウハらしい)、そこにヒメジョオンだかハルジオンだかが大量に咲いている場所があってハナアブ採り放題らしい。まあこちらも刈られる危険性無きにしもあらずだが、独法化でそんなところまで手が回らないに違いないということにしておこう。

さて、私は前のところでも今のところでもいわゆる教養科目を担当している。で、講義の目標としては、きっと将来は生物のせの字もない生活をするであろう学生達に、在学中のゆとりのあるうちに少しでも生き物に対して興味を持ってもらっておいてもらうことと考えている。そうすると世の中には生き物好きが結構いるもので、もっと詳しく知りたいって言う学生が必ず出てくる。しかしウチの大学みたいに生物の教員が一人しかいないようなところでは、詳しくって言ってもできる事はタカが知れているんだな。

であるからして、教養系の専任教員の配置を考えるときには、一つの分野に複数の人がいるようにして、そうでない分野は非常勤で適当に流す事にした方がよいように思う。現在の教養とは碩学になる事を意味しているのではなく、自立した思考ができるようになる事なのだから、教える中身なんて何でもよいはずだ。