海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

だから出席はとらない

試験。といっても今日の科目は受験者たったの80人。瞬きする間に、という比喩を使いたくなるくらいのスピードで採点を仕上げて事務に提出。

いつものように講義の感想を書く欄を作っておいたら、いつものように「出席をとって欲しい」との意見あり。で、「世の学校から出席点を追放する会」会長としては、出席をとるべきではない理由を新たに一つ思いついたので、ちょっと聞いてつかあさい。

出席をとって欲しいという意見の裏には、「試験一発で成績が決まると、真面目に講義に出ても単位がもらえないかもしれないので、それがイヤだ」というのがある。つまり講義に出るというコストを払う以上確実に単位という見返りが欲しいわけだな。しかし、そんな投資なぞ誰にでもできるのだ。先が見えなくて払ったコストがムダになるかもしれない状況でも、投資を行えるようになるにはそれなりに強靱な精神が必要である。で、社会に出れば先も見えずに意思決定しなきゃならない事ばかりなのだから、そんな強さは学校にいる間に身に付けなきゃならない。しかるに、「単位が出るかどうかわからないけど、とりあえず授業を聞かないと始まらない」というシチュエーションを設定する事には教育上の強い要請があるわけだ。

折角思いついたので、後期の講義の最初にひとくさりこのことについて話そうかと思う。どうでもいいが、そんなわけだから、単位を一定数取りこぼす状況こそが、教育がまっとうに機能している事の証明になるんじゃないかとも思ったりする。最近は一年に履修できる単位数に上限を儲けているところも多いようだが、上のように考えると、本当にそれが良い制度なのかわからなくなってくる。