海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

代打空振三振

金曜日はリレー講義があって、4週間の間三コマ授業だったのだけどそれも先週からはなくなり、余裕ができて喜ばしいかぎり。ところが今日その一時間目のリレー講義の時間に事務から電話。教室に先生が来ないと学生が言っているがなにか知らないかとのこと。

私は時々授業をすっぽかす夢をみては飛び起きて冷汗を書く人なので、この事態に接しても「ははーんやっちゃったな」と思うばかり(実は突発事態に連絡ミスが重なったためのようで、私の想像する様なすっぽかしとは違っていたらしいが)。そしたらしばらくして再び事務から電話。「今から代わりに授業できないか?」と、学生も思わぬお休みで喜んでいることだろう、とほのぼのしていた私の斜め上を行く展開になってきた。そんな事言われたって何の準備も無いところで、しかも既に半分ほどの時間が過ぎ去っているところで、まとまった話なんてできるわけがない。だいたい30分も教員が来なければ自然休講になるのが古典的な私の大学人としての常識という物である。そう訴えるのだけど、許してもらえず、このままだと本来の担当の人の立場が悪くなるんじゃないかとの懸念も発生してきたので、とりあえず雑談でお茶を濁しても良いことを確認して教室に向かう。しかしその道すがら、やっぱり形式的に講義を成立させるために何も中身のないお喋りで学生の時間を拘束するのは大学の人としてやっちゃいけない事じゃないかという思いが頭をもたげてくる。結局どうしたものか決め切らぬままに教室に。ええいままよ、と「いやー、間を繋ぐよう言われてきました」とのつかみとともに中に入る。ホントのことだし。

で、「いや実は何もプランがない」と正直に打ち明けると、「じゃあまた外で自然観察しよう」と言われる。そういう提案が学生から出るのは嬉しいかぎりなのだけど、今からだと20分ほどしか時間がなく(データとりの途中で出てきたので、本来の時間終了の15分前には離脱せざるを得なかった)、外に出ようとしているうちに終わってしまいそうだと答える。すると一人の学生が「じゃあ解散しましょう」と提案する。そのあまりのまっとうな感覚にうれしくなったので「そのとおりだ。実質の無いことに君たちの大事な時間を浪費する事はない。自分達のためになる様過ごすべきである」と演説して解散にする。ということで、後から担当教員に平謝りされても困るばかりなのである。何もしてないし。

2、3時間目は本当の私の講義。iPadを使ったプレゼン初体験。画面長押しで画面にポインターが現れてタッチで操作できるのはとても便利。だけど長押しのつもりがスライド送りになったり、ちょっと慣れが必要なようだ。あと、ずっとタッチしていないとポインターが消えてしまって、また出すには長押しのワンテンポが必要なのはイマイチ。それから発表者ノートが失われるので、これに頼っている人は困るかも。次のスライドを見る事もできないので、出す順番をちゃんと覚えておかないと話の展開を間違えそう。とはいえ、他の点では何の問題もなくKeynoteが動いて感動する。ただ授業で使うには、例えば科学ニュースの紹介とかでPDFを見せたくってもKeynote以外の画面は出力されないので不可能なのが致命的。ノートもまだまだ必要なようだ。これが将来は修正されれば良いんだけど。