海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

感想戦

今回は複数の学会の合同大会。違うディシプリンの話をいくつも聞いて、痛感したのは、やっぱりローレンツだよなあという。いや、生物はその生息環境において調べる方がよっぽどスッキリする。人間の設定した課題を動物が解決できるかなんてのは、私の立場からいえば不遜の匂い。

そういう意味で、今日の最後のシンポジウムで、「犬に学ぶ」というのが大事だというのはよく理解できるわけだ。でも、もしそうであれば、犬の行動を遺伝子レベルで解明して、とかいうのには同意できないのが首尾一貫というものかと思う。それはまさに「犬を学ぶ」に過ぎないんじゃなかろうか。言い換えると、それは「犬を好き」ということとは違うベクトルなのだと。例えば、私は自分の子供が持っている性質を遺伝子診断を使って知りたいとは思わない。だってそれは子供の領域に属する事で、親だからと言ってそれを知る権利があるとは思わないからだ。どうしてそのロジックが愛すべきウチのイヌちゃんには当てはまらないなんて言えようか。ましてや、遺伝子診断してよりよい訓練法を開発したりなんて、もしやられる立場になったら余計なお世話以外の何物でもないはずだ。喩えて言うと、お前は反社会的な遺伝的傾向があるから、できるだけ人と関わらないようにしたほうがいいよてなことは、たとえ単なるアドバイスだったとしても言われたら不快に違いないのだ。いや、もちろんイヌと人は違う。だから百歩譲ると、イヌに当てはまる言辞が必ずしも人には該当しないという立場もあるだろうとは言える。でも、もしそういうことが言えるとしたなら、それは私のようなオバQな人だからということになるんじゃないかな。

てなことを晩御飯を食べながらMぺさんとI上さんに訴えたのであった。

というわけで、初の試みの4学会合同大会も終わり。いつもと違う話を聞いて、普段考えないようなことをいろいろ考えて面白かった4日間。関係者の皆様お疲れ様でした。