海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

博士役

朝7時半に車が迎えに来るので、今日のスタッフさんたちに御挨拶して早速乗り込み光ケ丘公園に。8時前に着いて、そこで合流したディレクターさんと「晴れてて良かったですねえ」みたいな話をする。しかも暖かいんですよ。絶好のロケ日和。こないだまで激冷むだったのに、どうよこの私のお天気操りマスターぶりは健在よ。で、準備を始めるのだけど、なんか撮影許可が9時かららしく、それまでは始めちゃダメらしくって、仕方ないので周りを見て回る。なんかマルゴミグモがたくさんいるじゃん。昔東京に住んでた時に、近所でマルゴミを発見して、オオ北に分布拡大していると聞いたがついにここまで、とか思っていたのだけど、もう普通にわんさかいるじゃん。十年一昔だなあ。ということで撮影開始。今回、入念な準備がされており、複数回の取材に基づく台本も完璧で、撮影すべきものも一度予行演習がされていて、そうなると私はもうただの撮影のコマの一つになるわけで、言われた役を粛々こなすわけ。あとはほとんど待ち時間。で、ジョロウグモにエサを与えるところを撮ったあとスタッフさんが次のカットの準備に移るんだけど、私はまた待ちなので、もうちょっと網の様子を見ていると、なんだかオスの様子がおかしいの。ソワソワした感じなのよ。むむ、動物行動学徒として既に30年のこの私の経験が、これは何かあると告げてくる。ので、じっと眺めていると、メスとは反対側にいたオスがメスのいる面に移ってくるじゃないか。こ、こ、これは、と思うとオスは脚を震わせはじめる。求愛だ!!と思うとすぐにオスがメスの腹の上にマウントしてくる。わわ交接始めたよ!オレ始めて見るよ!!ってか求愛あんなに短いの?!ギンメッキとかと比べると一瞬じゃん!!!!数秒しか揺らしてないよ。と、スタッフさんに「交接が!!」と叫んで、撮影に来てもらう。で、良い機材のおかげで触肢の動きとか大写しで見れるの。すげー、こんな風には肉眼では見えんよこれ。わーいいもの見た。すげえすげえ。やっぱこれオレの日ごろの行いの良さで。へへへ。っていうか、交接前の雰囲気って、交接そのものを見た事が無い種であっても、気取ることができるんだな。何か共通する要素があるんだろうな。面白い。ということで、9時から16時過ぎまでほぼほぼぶっ通しでいろんなものが撮影できて、私も珍しいものを見れたし、プロのロケ現場を機材の事も含めて見ることができて、すごい楽しかった。で、品川まで送ってもらって、帰りは空いていた新幹線で帰ってくる。オツカレー。