海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

愛してるから食べたいの?

「共食いの博物誌——動物から人間まで」を読んだ。タイトル通り、共食いについて、前半1/3ほどを使って動物の例を示し、後半は人間の共食いについて、飢え回避の事例を紹介すると共に儀式的なものが存在する可能性について検討する本。5年ほど前に出版されていたところ、私はついこないだまでその存在を知らなかったわけで、性的共食い二大巨頭のクモを研究する者としては、大変な不勉強を曝したところである。つうことで読んだわけだ。で、一般書ということで、動物パートについては、目新しいことは余り無かったのだけれど、人間パートは知らないことが多くて一気に読めた。ドナー隊の悲劇とか初めて知ったよ。著者はコウモリの研究家さんとのことで、筆致は冷静で扇情的なところがなくて良かった。のだけど、原文と翻訳とどちらに原因があるのかわからないけど、動物パートにちょこちょこと変な文があるように思う。で、同じことが人間パートにもあるのかもしれず、少し割り引いて読むくらいでいいのかな、とも思ってみたりした。それにしてもこのような本が成立するのなら、私も性的共食いで一冊書けたりするんじゃないか?