海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

東京タワー

今日からフリーになって、いつものように論文を3行書いては2行削ることを繰り返していると、昨日提出した成績表に欠落があると事務から連絡が。こちらの大学は事務さんが優秀なので、ミスをしてもフォローしてくれてありがたい。「しめしめ、これからは少しくらい手を抜いても大丈夫」などとダメな考えに陥りそうである。剣呑剣呑。

今日は映画の日なので、夜にThe Life and Death of Peter Sellers「ライフイズコメディ! ピーターセラーズの愛し方」を見る。「チャンス」についての映画だった。

はじめて六本木ヒルズヴァージンシネマズに行ったのだが、駅を降りて巨大な円形の吹き抜けの中をエスカレーターで上がっていくとイルミネートされた東京タワーが見えた。思えばこちらに来て初めて見る東京タワーだ。そして「子供が産まれる前に東京に来てれば楽しかったろうになあ」と思う。で、それは今の私が子育てで忙しく街遊びする暇が無いからではなくて、昔なら感動していたろう壮麗な都市の景色が今や空虚なハリボテにしか見えなくなっているからであることに気がつく。日々成長していく生物としての子供のリアリティーに、巨大なビルや精巧に配置されたイルミネーションに形作られた人工的な眺めとそこから得られるクラクラする忘我感はそぐわない。で、ふと、「神職につく者が人の子の親でない場合が多いのは、宗教行為で忘我感に陥ることを阻害しないためではないか」などと考えを飛躍させてみたりした。

で、劇中ピーターセラーズに忌み嫌われていたピンクパンサーのサントラをiPodで聞きながらウチに帰った。