海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

がたごとがたごと

がたごと がたごと (絵本・こどものひろば)

がたごと がたごと (絵本・こどものひろば)

上の子がまだロクスッポ喋れなかった頃のお気に入りの絵本の一つが「がたごとがたごと」。これは、汽車に乗った人たちががたごとがたごと怪しい世界を走り、着いた駅ではいろんな動物になったり、妖怪になったり、江戸時代の人になったりする、という大変変わった絵本。こんなの子供が面白がるのかしら?と思っていたら、上の子は化けてしまった人を一人ずつ指さしては、「これはウシ」とか「これはろくろ首」とか聞くのが大好きであった。

そんな今日はY田邸で目覚める。遅い朝ご飯をみなで食べ、グルコースの語源はギリシャ語のgleukosであり、「甘いワイン」の意味で、つまりブドウ糖が何故ブドウ糖と呼ばれるのかと言うと、やっぱりブドウと関係しているらしいと言う事を調べて少し賢くなったりする。

で、仕事のあるY田さんとMぺさんは昼前には出かけてしまい、お母さんと子供たちプラス暇なオッサン一人で藤野町の芸術の家で開かれるアート芸術祭に出かける。で、音色の違うハンドベルを机の上に30個ほど並べて次々と鳴らして音楽を奏でると言う大道芸を見て、遅い昼ご飯を食べ、工芸作品やら何やらを売っているところを冷やかしていると、端の方にひっそりと、その「がたごとがたごと」を始め何冊かの絵本を並べているところがある。へー、と思っていると、ヨメサンが何やらそこの売り子とおぼしきおばさんに話しかけている。で、「ほら、そこに本人が」というそのおばさんの声が耳に入って、ふっと後ろを振り向くと、60絡みの細い優しそうなオジサンが立っていて、その「がたごとがたごと」の絵を描いた西村繁男さんだった。実は売り子のおばさんだと思っていた人は奥さんなのだが、やはり絵本作家で、さらにその側で赤ん坊を抱いていた若い女性は娘さんでやはり絵本作家だったと言う(私は知らなかったが、ヨメサンは娘さんの方だけ知っていたそうな)。私もヨメサンも腰が抜けるほど仰天して、興奮してあー、とか、うー、とか人語かどうかもおぼつかぬ音声を発し続け、あまつさえ記念撮影までしてしまい大変迷惑をかけたような気が後から思えばする(「ときどきあるんですよ」と言っておられたが)。キョトンとして事態が把握できないのは上の子のみ。でも、本をたくさん買ったから許して(当然サインはもらった)。