海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

ヒッチコックの学名

今日の上の子の名言。「おとうさん!人間の学名は、ホモ・サスペンスだよね?」。いやヨメサンの血を引くものとして順調に成長しているようで喜ばしい限りだ。

実験に使えるクモが激減したので補充のため昼前から徒歩15分ほどの竹林まで出かけていったら、着いたところで大雨が降ってくる。とりあえず採るものは採ったのだけど、帰り道でパンツまでずぶ濡れになる。これは、Tシャツをわざと濡らしてから着るなどと言う文明人にあるまじきメソッドにハマっている報いに違いない。

雨のおかげで大変涼しい。ウチで暖かいシャワーを浴び、お昼を食べてから家族でシネコンで「GODZILLA ゴジラ」。大巨獣ガッパ、という話。この監督は、怪獣の繁殖によっぽど興味があるらしい。ちゃんと人間側のお話が存在して、怪獣の登場や振る舞いもちゃんとエモーションを盛り上げるように描かれていて、映画としては巨大ロボットがドッタンバッタンやるだけの作品よりはずっとまとも。デルトロさんとかベイさんとか見習ってほしい。とはいえ、優れた作品かと言われると、そこは微妙。やはりこの作品はアメリカ製のものであって、オリジナルにあった「ああ、もうこんなんに我々勝てるはずないどうしようもないからとりあえず一緒に死んじゃえ」っていう悲壮感と言うか諦め感は今作には微塵も感じられないわけで。米軍の人たちは、ゴジラに対してもあくまで対処可能な災害のひとつとして接しているよね。登場人物の興味の主眼は、怪獣は倒せる事を前提として、いかにコラテラルダメージを減らすか、ということだから。このへんの基本的なトーンの違いは、私的には違和感を感じるところ。あと、ゴジラの設定の変化も気持ちが悪くって、ビキニ等での水爆実験はゴジラを倒すために行われた事になってる。正義の水爆かよ!臆面もなく自己正当化しますなアメリカさん、と鼻白む。それからお行儀よく軍艦とならんで泳ぐゴジラのありえなさとか、水爆をあっさり奪われたりゴジラの迎撃路に民間人が多数残ってたり偵察隊が怪獣を見つけたのに後発に連絡しなかったりと、いろいろお話上の穴と言うかご都合主義も目につく。それからひたすらぽかんと口を開けて役立たずな芹沢博士とか。これもうちょっとなんとかならなかったんですかね。