海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

危険な本

そして今日は「政治学者、PTA会長になる」を読む。去年だったか毎日新聞に著者の経験について語ったインタビューの、確か5回くらいの連載が載っていて、これが滅法面白かったので、本が出たと聞いて喜んで買いに行って、で、半月くらい手を付けられなかったところ、やっと読めたというやつね。で、やっぱりこれが面白いの。PTA会長なんてやりたくもなかった筆者が次第に追い込まれていって引き受けてしまうところの描写とかつい笑ってしまう。義憤で引き受けちゃうところとか、いかにも学者っぽい。学者を地域活動に引きずり込むにはこの手1択だなと思う。多分私もこれやられたら抵抗できない。で、つい正論を開陳しちゃって、疎まれちゃうところとか、これもアルアルである。ところで本の中で筆者はこの点を多いに反省しているが、私としては、そんなことしなくても良いのじゃないかなと思った。少しあつれきがあるくらいじゃないと、人はちゃんと考えてくれないんじゃないかな。あと、皆が皆善良だとは限らないし。当人は意識していないかもしれないけど、こういう地域活動を、自分のために(といっても金もうけとかじゃなくて承認欲求や権力欲の充足のツールとして)使っている人はいると思うんだよね。そういう人には、いくらこちらが相互理解を求めたとしても、結果がついてこないと思うのよ。その場合は封じ込めるしか手がない。まあ、じゃあ目の前にいる人がどっちのタイプかというのはなかなか判別が難しいのだけど。それはともかく、ウチの子がまだ小さい時にこの本がなくて良かった。こんなの読んでたら、自分もPTA会長やりたくなってくるもんね。