海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

縁の下

「文にあたる」を読んだ。名前も知らない校正の方には足を向けられません、という話。いや、フリーの校正者による、著者でも編集者でもない第3者が文章を直すことについてのあれこれを綴ったエッセイ。ここ何年かのミシマ社の本も何冊か校正されていて、そういう意味で親近感を持って読んだ。もちろん私の本にも校正が入っていて、やっぱりうっかり間違いってゲラになってもあるものなので、今回の本にしても前の本にしても危ないところをいくつか救ってもらっている。で、事実関係の間違いを見つけてもらうのは本当にありがたいし、私なんか文章表現の指摘なども割とすんなり受け入れる方なのだけど、この本を読むとそうでない著者さんもたくさんいるのだな、と思って、そうかもうちょっと自分の文のリズムを大事にしてもいいのかもな、と思ったり。あと、事実関係の間違いを見つけるというと、私が以前やった監修のお仕事なんかまさにそれで、む、とまず思って調べ始めるところから間違いを発見するのだけど、なぜ、む、と思うのかってのが自分でも不思議なのよね。しらみつぶしに調べてたら時間がいくらあっても足りないので、む、と思うところしか調べないと、そりゃ見逃しだってあるだろうなと思うんだけど、なんかそういうところの心の揺れのあれこれもこの本には書かれていて、ああ同じなんだなあと思って読んだ。本好きの人は、この本読んだらいいですよ。面白いよ。