海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

クモ繋がり

「くもをさがす」を読んだ。闘病記の皮をかぶった異文化論や人生論、という本。大垣書店ポルタ店さんが私の本と並べて売ってくれてるわけで、読まないわけにはいかないじゃないか。登場人物がみんな関西弁でしゃべっているのが面白い。いや、関西出身者の中には外に行っても関西弁をしゃべる人がままいるわけだが、私がこれに対して持っている仮説というのが、関西人がしゃべる時は目の前の人に直接しゃべるのじゃなく脳内の誰かと話すというシミュレーションを行ってから言葉を口に出していて、その脳内の誰かは関西人だからそれでどこでも関西弁になってしまう、というものだ。いや、この本と関係あるのか?と言われるとないのだが、まったく関係ないのかというと少しくらいはあるような気がしないでもない。それはともかくとして、私もこの歳になって、まあいつまでも生きているわけではないということが身に迫ってくるので、病気の話を書いた本にはあまり近づきたくない気持があったのだけど、この本はそういう気持が恥ずかしくなるような、生の受容のプロセスが書かれていて、思うところが多かった。いや、珍しいんですよ私がこういう本を読むのって。