海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

あと少しだけ

もう11月も半ばだ。ギンメッキの造網行動の撮影も店じまいが近づく。っていうか先々週行動学会でわずかしか撮影機会を持てずその機会も空振りし、ここが最後の追い込みと思っていた先週をコロナで失ったわけで、11月で1つ2つデータを足せることを見込んで春の学会を申し込んでしまったのがイヤーな感じになっている今日この頃。今週まだ網を張ってる個体を見つけることができたので本当にこれが最後の最後と思って火曜日にセッティングするも空振り。昨日も別個体を入れてみたのだが、今日も朝から車で大学に来て、7時半に研究室のドアを開けて、どうせダメだろうと部屋の明かりのスイッチに手を伸ばしたらば、部屋の向こうに設置している造網枠の中で黒い点が動いてるよ!!やった!今日は造網してるじゃん。と、いやこういう時にカメラが動いていないことが何度あったことか、とNINJAの画面をチェックすると、動いてる!!やったーーーーー。サンプル数+1だ。いや、サンプル数1といってもそこから万のオーダーのデータを抽出できるわけで、あるとないとじゃ大違いなのよ。つうことで、造網が終わるまではクモの行動を邪魔しないよう部屋の照明も消したままにして、机に近づくこともせず、遠くに置いたパイプ椅子に座って30分ほど終わるのを待っていたのだけど、もう心はウキウキよ。で、無事最後まで網を張り終わってくれたので、じゃあでき上がりを写真に撮ろうとしたらば、枠糸が仕切り版に接着されていたようで造網枠を動かした時に、網がぐじゃぐじゃになってしまった。ということで、データとしては少し欠けたものの、ともあれ春の学会で話す内容としては十分な成果になったの。うれしみ。で、クモの体重を測って交尾器を改めると、垂体が残っている。ということは、この子、まだ未交尾の可能性が高い。11月の半ばに未交尾だと、このまま産卵できずに冬を迎えて死んじゃうかもしれんなあ。かわいそうに。と、ここで、ひょっとして室内では老齢個体より若い個体の方が網を張りやすいんじゃないか?と思いついて、じゃあこのままこの個体をもう1日置いておけば、明日もデータになるかも?と思う。っていうか、もう外にはどれほどクモがいるかわからないので、死にそうな個体を新たにとって試すより、この子にもう1日お願いしようと考える。うまく行きますかどうか。授業2コマ。