海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

今日の一日一善

なんとかオンデマンド授業の準備と原稿の改訂を終わらせた。で、新入生オリエンテーションがあって、私は今年は久しぶりに一年生の導入ゼミをやらされることになっているので顔合わせがある。気が重いのだな。この科目ってのは通常、大学で学んでいくためのスキルを身に付けることを目的としているわけだが、私がいるところは文系メインであって、そもそも私自身に文系大学で学ぶためのスキルがないわけですよ。例えば有効数字の何たるかを教えて彼女らの役に立つとも思えない。段落最初の一字下げだって、インデント機能で行うべきであって、空白文字入れると逆に面倒くさくなる、という私の理解を伝えたら混乱は必至だ。ということで、ここしばらくはうまいことこの科目の担当を逃げていたのだけど、多数派の人ってのは自分の知ってる世界がすべてだと思いがちであるから、私が文系学部で学ぶためのスキルを備えていないことがどうにも理解できないようで、今年は科目を振られてしまったのである。気が重い。さてAppストアでソフトを買おうとする。このときApple Accountに残額があると、ここから優先的に支払いが行われる。で、Appストアでしか買えないソフトに研究費を使おうとすると少し厄介になる。領収書の宛名が大学でなく私の住所も表示されてしまって、頭の固い事務方がそれではダメだというのである。とはいえ事務方にも知恵者がいて、去年FinalCutProを買った時に、その値段とピッタリ一致するようにAppleのバリアブルカードを購入して、その領収書を大学宛にする、という方法を考えだしてくれたのである。もう素敵。事務の鑑。ところがその事務さんが去年の末に退職してしまった。ということで、また何が起こるか分からないので、新しくソフトを買おうと思った私としては、念のため「これこれこういう風に買おうと思っていて、去年も実績があるから買っていいと思うんだけど、かまいませんか?」とお伺いを立てる。ホント無駄な作業だと思うのだが、こうしておかないと足をすくわれかねないという現実には対処せざるをえない。そしたらなんと、買えない、と来た。ほらやっぱり何が起こるかわからない。で、どうせまた、新しい人がこちらのやりたいことをちゃんと理解できず、理解できないうちにとりあえずダメ、といっているに違いないので、去年もそれで買えているので記録を調べて欲しい、とお願いすると、確かに去年の記録はあるけれども、それは間違いだったのでダメ、とか言いだす。何これはどういうことだ?と思って、まずは絡め手から攻めてみようと思い、必要なものを買おうとしてるんだから、ダメっていうだけじゃなくて買える方法を教えてくださいよ、と言ったら、アカウントを別に作ってそこからクレジットカード払いをしたら?と言われるのだが、同じMacで複数のアカウントを切り替えて使うことの面倒くささを考えるとそんなのかなわんのである。そういうと、でもAppleのカードのような有価証券は買えないルールになっている、という。ルールであることを理由にして不便を強いてくるのは退廃であるから、これには強く反発せねばならないので、「そんなルールは変えればいいじゃないですか。あなたは私に、不便を受け入れてアカウント切り替えをすればいいじゃないかというけれども、私がそうしたらこのルールがずっと続いてしまう。今回、私はそんな不便に耐えるくらいなら研究費購入を諦めて自腹で買うけど、あなたは事務方としてこのルールを変える努力をして欲しい。それが仕事では?」というと、なんだか向こうもエキサイトしてきて、でもルールはルールなので、とか言うので、いやそんなこと言うてるんじゃない、とこっちもエキサイト。そもそもなんでそんなルールになっているのか?と問うと、有価証券を買うと年度間で繰り越しができてしまうから監査で問題になるからだ、という。いや、そんなんね、見て、この去年の書類を。45000円コンビニでカードを買ってね、その日のうちにAppleストアで私のアカウントから支払いが起こってるでしょ?これを見たら繰り越しになってないって十分説明できるでしょ?説明できない支出がダメなのは分かるけど、説明できるなら監査も問題にならないでしょ?というと、このケースではそうかもしれないけど、そうでない場合もあるから有価証券は買えないルールなんだ、とまた声のトーンが上がってくる。で、でもこう買えば繰り越しにならないじゃないですか、と言うこちらの主張とルールはルールだからと言う向こうの主張で水掛け論が続く。と、ふっと向こうが「でもこの時は確かに45000円の商品に対してぴったりの額のカードを買えているけど、そうじゃなければ、例えば5万円のカードを買ったら残りの5000円は繰り越しになるでしょ?」と言いだす。いやだから、そんなことはありえないんだ、って言うと、なぜだ?という。だって、45000円の商品だってわかってから、カードを買いに行くんだもの。と言うと、急に向こうの態度が軟らかくなる。どういうことですか?と。ここで判明したのは、向こうがバリアブルカードの何たるかを分かっていなかったことである。なので、例えば35412円の買い物をするのに4万円のカードを買わなきゃいけないと思い込んでいて、なので繰り越しが発生しかねない、と主張していたらしいのである。「ひょっとして35412円のカードを買うこともできるのですか?」「できますよバリアブルカードなんだから」「ならコンビニ払いに似ていますね。繰り越しにならないのか」「いや、だから最初っからそういってるじゃん」。ということで、まだ結論は出てないけど、それなら買えそうだということでいったん持ち帰ってもらうことになった。ということで、私のレッスンとしては、理不尽なことを言われたときに戦うのが面倒だからといって簡単に引き下がってはいけない、ということである。そして、事務方に願うべくは、とりあえずダメという姿勢でことに当たらないというレッスンを得て欲しいことである。ってか、何度目だよこういうのでバトルのはよ。