海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

それは逆です

以前にも書いたかと思うけれど、クモの円網は完全な円形ではなくて、上半分よりも下半分の方が大きいのが普通である。で、ある論文によると、これにはクモの過去の餌採り経験が効いているらしく、実験的に網の下半分に餌をかけてやると、クモはより下半分が大きな網を張るようになるらしい。餌がかかりやすい方向に網を大きくすれば、よりたくさん餌が採れるようになるだろう、という話だ。

と言う事で、私のゴミグモでも(いや、私の所有物という意味ではない)一応確認しておこうと思って、同じ実験を夏に行っていたのだな。で今日、その結果であるところの網の写真からのデータ起こしをやっと行ったのだが、一枚写真を解析する度に「ウソやろ!」とか「話が違うやんけ!」とか叫ぶ羽目になった。というのも、下半分に餌をかけると網の上半分を大きくし、上半分に餌をかけると下半分を大きくした個体が多かったからだ(検定すると実験操作の影響はp=0.054でギリギリ有意じゃないのだけど、これは15個体とサンプル数が少なかったせいだろう)。一体これはどういう事だ?筋が通らん。

今回の実験はとりあえずやったもので、手順があまり厳密でないので、ちょっとこれは来年あたりキッチリ計画した実験をしなくちゃならなさそうだ。それにしても、予想外の結果に出くわすのは、研究の醍醐味だね。