海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

さよならジョブズ

これだけ毎日パソコンの前に座り続けていて、業界のWeb便利屋と自嘲したりしているけれども、本音を言うと私はあまりコンピューターを使った作業が好きではない。そんな私がそれでも何とかデータを整理し解析を進めて論文を書き続けていられるのは、ひとえにMacという美しい製品を使っているから。美しさで気が紛れるから好きでない作業も続けられているという。ということで、今の私がこの道で何とかやってこれているのは、ある意味でApple製品のおかげなんだと思っている。これがあれば研究ができるという意識は、22歳、いやまだ21歳だったかもしれないけれど、研究室のIIciを初めて見てビックリした時から(白黒のSEは見た事があったけれどもカラーで大きなディスプレイを備えたIIciはそれはそれは見目麗しかった)既にあって、だから90年代半ばのApple存亡の危機の時代にもわき目も振らずマカー一筋で、初代iMac発売の時は行列に並び、iBookiPod shuffle、touch、MacBookAir、iPadは初号機を買い(そのうちのいくつかは発売日の入手だ)、OSXバージョンアップの際には発売日もしくは翌日には必ずインストールし続けてきたのは、どこか感謝の念に駆動されていたからのような気がする(昔は価格高目だったApple製品を買うことをお布施という表現をしていた頃があったが、あれは言い得て妙だった)。

と言う事で、今日はぽっかり空いた空洞に、ほとんど仕事が手に付かない状態になって一日過ごす。自分でも意外なほどにショックを受けていて不思議な気持ちだ。病気が治ってまた復帰してくるもんだとばっかり思っていたので不意打ちだった事もあるのかもしれない。

それでも明日になれば私はまた、彼の作ったものを使って原稿を書き文献を読み、ひょっとしたら軽くデータ解析もすることになる。人が地球の裏側に住む全く縁もゆかりもない別の人の人生に大きな影響を与えられる事に驚きつつ。

心の底からご冥福をお祈りします。