海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

決戦は金曜日

足掛け三年にわたって関わり続けて、ヨメサンの人生まで変えさせてしまっている某駅前の農地開発問題についての住民説明会が、いよいよ今夜開かれる。これ私見では、今ごろやったってデベロッパーと一部の土地持ち以外誰も得しない古くさい昭和のスキームで、そんなものだから、典型的な住民無視の手法でこれまで進んできたもの。で、数年前に一端頓挫して、かなり厳しいトラブルになったものの、またしぶとく蘇ってきて、昔から関わっている人の中には半分諦めちゃってる人も出てきているという。私だって弱音吐きたくなること度々だ。ところが、この春の選挙以降、自分たちのことは自分たちで決める、と言う意識が高まってきて、この開発にも異を唱える機運がぐいぐい高まってきていて、そこに新町長の住民との対話重視の方針もあって、これまでなるだけ隠して進めてきた計画について、ともかく説明しようと言う会が催されたわけ。この説明会、決して義務的なものではないところがポイントだ。今回の開発案件では進行の過程で必ず住民意見を聴取しなくてはならない段階が来るのだけど、そのときにはもうプランや何やらがほぼ固まっているはずで、つまり聴取と言ってもセレモニーにしかならないはず。一方、今日の会が義務的でないということは、計画を後戻りさせられる可能性は義務的な会が開かれる時よりもずっと高いと言う意味になる。つうことで、住民の側で、ここでなんとかしないと、という気持ちを強く持つ人が集まり始めていたというわけ。ウチとしても、そんな斜に構えている場合じゃないので、ここ一ヶ月くらい、気合いを貯めていたわけ。オレなんて、ホントはこの週末スキーなので、今日は前泊で移動するつもりだったのにさ、説明会夜だから足止めくらっちゃってさ、ホンマこの開発計画許せんわ。おかげで明日着くのは昼じゃんかよ。今日ほどこの開発が許せんと思ったことないわ。オレの半日分のスキー返せ。ともかく、そんなわけで、説明会は盛り上げなければならない。まず第一に必要なのは数だ。そのためには周知広報だ。幸い、ウチにはヨメサンが季刊で発行してほぼ全戸配布している議会報告がある。これを使わない手はないわけで、前回9月議会の報告を12月にまいてたにも関わらず、今回12月議会の報告を1月半ばまでにまくことに。そのためには正月明けに原稿ができてなきゃならない。つうことでヨメサンヒーフー言って作ってたわけ。で、ここでは、関心のある人の心を動かして、説明会に足を運んでもらうことが目的だ。だいたい寒い冬の平日の夜なんて、お年寄りやこの問題に関心の高い子育て世代が簡単に出て行ける時間帯じゃないので(だからこそ行政的にはこの時間帯に設定するのだろうと邪推するわけだが)、ここは読み手の気持ちを強く動かさなきゃ来てくれないよね、ということで、ヨメサンには「これまでの正確性・客観性を重んじるために少し他人事感の感じられた報告ではなく、今回はヨメサンの農地に対するビジョンを語るべき。主観や思いを押し出して自分ごととして語れ」とアドバイス。ヨメサン見事にそれに答えて報告の作成・配布もスケジュール通りにこなしたのよ。エライなあ。あと、ここ数日は一昨年の署名の時に好意的だった人に「大事だから来てよね」と個別アタック。小さい町だから、こういうのが効くのよね。なんせ会場はこの町一番大きなホールと言っても300人弱しか入らない。口コミで埋めるのも難しくないのね。とはいえヨメサンは、ちゃんと集まるかしら?とずっと不安がっていたけど、私的には行けるんじゃね?と思ってたのね。で、フタを開けたら、ちゃんと埋まったよ。人口3万の町だからね。金曜日の夜にこれだけ集まるってのはかなりのインパクトを行政に与えたと思いたい。っていうか、これを見て、何もインパクトを受けなかったらそりゃ無能ですよ。で、わずか一時間半の説明会はそのうち50分を、具体性に乏しい計画の説明に費やされる。本来、何をするにしてもそのメリットとデメリットを秤にかけて、その上で意思決定されるべきところ。もちろんそのメリットとデメリットには不確実性はあるのだけど、それを出来るだけ取り除く努力をした上で、それでも残る不確実性をどう扱うかは住民に判断を委ねることで施策の正当性が担保されるのだから、行政としてはメリットデメリットに関して具体的かつ可能な限りの説明をする必要がある。説明会ってそのためにあるんだからさ。それが、なんかふわふわした話に終始して、いったい何のために開発するのか?どのくらい負の効果があるのかがさっぱりわからず、あげく意見はパブコメで受け付けて、それに対する町の姿勢は後ほど一括して文書で出す、とか言い出すもんだから、オイそりゃ待てよ、って聞く方は思うわな。そもそもこの件に関しては、ヨメサンの公述やら、一昨年の署名やら、私らの関わっていないものでも「開発ちょっと待て」というたくさんの意見が出されてきたにも関わらず、これまでそれらに一切応えることなく計画を進めてきているわけで、ここでまたパブコメでって言われても誰が真に受けるんですか、ということで質疑応答は大荒れ。私は立場的にあんまり意見言わない方が言いかなあとか思っていたけれども、行政から美辞麗句を並べて一見住民意見を聞くように思えるけど実際はそれとは別に計画を進めると言っている的な官僚答弁が話され始めた時に、こりゃまずいとついヤジを飛ばしてしまったりした(足止めくらいにはなったようだ)。あげく行政は、まだ町民に言い足りない人がたくさんいるのにも関わらず、時間を理由に打ち切りにしようとするもんだから、火に油だわな。アホかっちゅうねん。これくらいの異論が出るのは予想できたはず。予想できてたら、打ち切ろうとしたらまずいことくらいわかるはず。違うんだろうか?ともかく、そんなわけで、結局ホールの閉場時間である21時になっても会は閉じられず紛糾を続け、なんか見に来ていた保守系の議員が、本気かどうか知らないが「ホールの電気落とせばいい」とか、ホールの後方で行政の人に話していたりして、マジかよそんなことしたら町は破滅だぞ(精神的な意味で)とか思ったりした。そのうちに周囲で推移を見ていた他の住民からとりなしの動きがでて、何とか収束はして、ともかくこの状態で計画を進めるのには強い反対があることだけは可視化できたと言う感じで帰ってきた。で、ヨメサンは、ともかく行政に対して強い異が唱えられたことにいたく感じ入っていて(議会ではこの件ではいつも孤立しているらしい)、興奮さめやらないので、参加者をウチに連れ込んで感想戦。オレは明日スキーだから早いんだけど、なんかぶーちんが夕方から体調悪いって言ってずっと寝ているもので、もうこりゃスキー中止だからまあいいか、と、感想戦につきあう。結局26時まで。