海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

先輩風

新しい講義は「映画で学ぶ生物学」という触れ込みの教養科目。教養だから、生き物への興味関心をかきたてるのが目的で、かつ全く違う分野の話をクロスオーバーさせてやろうという目論見で、去年動物映画を語るトークショーやった経験も後押しして、まあ色物教員として齢50も超えて失うものもないし好き放題やってやろう、というわけだ。で、どうやるかというと、映画の中から1、2シーンを最初に見せて、それをネタに生物学のトピックを語ってやろうという趣向だ。これを思いついたのはもう10年近くも前のこと。「26世紀少年」を見てそのオープニングが自然選択の説明としてこの上もなく良くできていたので、かつ、そこから演繹される未来社会がムチャ面白かったので、もうこれ見せときゃオレ授業しなくていいじゃん、って思ったことにあるのだな。というわけで、1回目の講義はこれで行くのは決定済み。DVD買って見直そうと思うわけ。とか言っているとお昼にお客様。蜘蛛学会で知り合った会社勤めの人が関西に出張するので研究室を訪問したいというので、見るものもありませんが、とお迎えした次第。1時間ほど研究ライフについてお話しする。そして夕方は、某百万遍大学に。私は学生時代自主制作映画を作るサークルにいて、それが今や京都最大の映画サークルに成長していて、数年前からその同窓会と称して現役メンバーとの交流が続いているわけ。で、現メンバーの中には今の勤め先の学生とかいて私の授業とか取ってて微妙にやりにくいのだけど、ともかく学生映画サークルにとって昔も今も課題となるのは出演者の年齢層の薄さである。つまり年配の出演者を確保するのは大変だという。で、ウチの学生は、私がサークルOBであることを知っているわけで、こいつは使える、と発想するのは理の当然。というわけで、大人の役として出演することになったわけ。で、西部のボックスとかに案内されてから北部構内に出向き、ロケ地はS自BOXだという。オレ、現役学生の時もきたことないよS自BOX。入ってみると、ああ今の学生もオレたちの頃と変わらんじゃん、という甘酸っぱい思いが湧いてくるわけ。ボロボロのソファにきったない毛布に麻雀セット。そうだよ学生はそうでなくちゃよ!と、感じ入る間も無く撮影である。スケジュールがタイトらしく、スタッフはちょっとピリピリ。で、私らの頃とは違って立派なビデオカメラにマイク、LED照明まであって、稼働スタッフは8人。構図取りとか色味とかライティングとか、事細かに調整していて、なんか現役はオレたちとはレベルが違うのは知っていたけど、ここまでちゃんとやってるんだと感心する。で、私はというと、台詞さえ覚えていない体たらく。まあ3つだけだったのでその場でアドリブも入れて適当にできたけどさ。あ、でも一回監督の意向と違う演技してダメ出しされた。けど、まあ面白かった。良い体験ができたので、また大人が必要だったらどんどん呼んで欲しいところよ。つうことで、コレクションでコンビーフライス食べて帰ってきた。