海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

多幸感

というわけで、今日は「又吉直樹のヘウレーカ!」の私が出る回の放送日。むっちゃ緊張しますがな。しかし今日も朝から会議なわけよ。もうやだ。で、わけのわからん説明も無事こなし某買い物をして研究室に戻ってくると、京都新聞社の担当記者さんから電話。今日の連載記事の写真キャプションに間違いがあるのでは?と読者から指摘があったとのことで確認してみると、、、ホンマや!!間違ってる!!しかもハンミョウを指してタマムシって書いてる!!こんなミスありえん。うえーしかしでもこれ現実で、えー?いくらオレが名前苦手って言ってもそんなミスせんて、ってなぜかつらつら考えてみるに、今回の記事のテーマは明後日の啓蟄にかけて昆虫の多様性の減少で、写真は9種の昆虫を組み合わせて多様性を表現した、いつもと違う趣向のものにしたのね。で、こういう形式のでも大丈夫か打診するために作ったテスト写真の中にタマムシ組み込んでいて、オッケー出たのできちんと作り直した時にタマムシを外しちゃったんだけど、キャプション書いた時におそらくまだタマムシが入ってると誤解しちゃってそのままずっと気づかずゲラでもスルーしちゃったという事っぽい。ああ、しかしメカニズムが分かってもミスがなくなるわけじゃないので、とにかく来週訂正を出す事になったと言う。ああもう穴があったら入りたい。っていうか、今日のヘウレーカ!でもこの手の大ポカやってないと誰が保証できようか。うわー、京都新聞だけでも死にそうなのに、テレビでやったらもうオレだめかも、と思って、もう緊張どころの騒ぎじゃない。お願いもう今日の夜なんて来ないで、とかいっても容赦なく時計の針は進むわけで、これはもう酒でも飲むしかない、ということで飲みながら断頭台にあげられるのを待つ気分よ。で、ついに放送開始で、やっぱり正面から見てられないので、ヨメサンとぶーちんが見ているのを横目で見つつ、ツイッターをヘウレーカで検索して視聴者様の反応を探るわけ。すると、なんか、受けてるよ。褒めてもらってるわ。うわーん嬉しい、と思ってテレビを真面目に見はじめると、確かにこれは自分で言うのもなんだけど面白い。っていうか、とても良い仕上がりになっている。もちろん制作の過程でディレクターさんはじめとするスタッフの皆さんの真摯な姿勢について私はよくわかっていて、そんな変な仕上がりになるはずないと思っているわけだけど、その予想をはるかに上回る良い仕上がりだった。わー、うれしい。オレ、こんな良い番組の制作に参加できて、とっても幸せですよ。良いものを作るのって、本当に素晴らしいです。つう事で大喜び。世界で一番私に厳しいヨメサンも手放しで褒めてくれた。素晴らしい。っていうか、実際この番組では、ジョロウグモの交尾器の挙動がはっきり分かる交接シーンとか、糸を流すジョロウグモのシーンとか、東京では11月の半ばにギンメッキの求愛が見られるのとか、プロの目から見てもすごい映像のオンパレードだったわけだけど、一番何がすごかったかと言うと、シーンとシーンの間になにげなく挟まれていた、ヒヨドリジョロウグモの巣の前で一瞬ホバリングしてクモを視認し、だけどおそらくバリアーウェブの防御効果のために捕食をあきらめて去っていくショット。いや、鳥がクモの重要な捕食者だというのは良く言われてる事だけど、そのことをこんな風にクリアに可視化したショットはすごいよ。なんせクモが他の虫を食うシーンはいくらでも見られるけど、逆に食われるシーンなんて滅多に見られないのだもの。なんせ20年以上にわたってずっと観察してきたギンメッキでさえ、私が捕食シーンを実際に観察した件数は片手で数えられるほどなんだから。