海の底には何がある

これは日記だ。ブログじゃない。

赤い本

ナチスのキッチン」を読んだ。19世紀後半から20世紀前半までのドイツで台所とそこで行われる主婦の営みがどのように変化し、企業と国家がそこにどう影響を及ぼしたかについて論じた専門書。いや私からするとこういう話はまったくの専門外なのだけど、私は藤原辰史さんのファンだし、ナチスと聞くと興味がそそられるし、何より赤い装丁の本にはなぜか吸い寄せられてしまうしで、しばらく前にT井さんの本屋で買っていたところ、専門書だから気軽に読むというわけにもいかずずっと本棚に飾っておいたのだな。で、あんまり卒論が来なくて時間があるのでついに取り組むことにしたわけ。台所や料理の合理化がある種のセキュリティホールとなって、大きなものにつかれてしまった話というように読んだのだがどうだろうか。合理化というのはアンチの力としておかれて初めて威力を発揮するもので、それはあくまで道具なのだから目的としてはいかんのかもしれないね。知らんけど。